内容説明
一高除籍後の地下生活を経て日本共産党へ入党。1949年衆議院選で鳥取県全県区からトップ当選。1959年『平和と社会主義の諸問題』誌編集委員として家族でプラハへ赴任、1969年衆議院選で東京2区から17年ぶり当選。その間『赤旗』編集局長など要職を歴任した党幹部・米原昶(いたる)とは何者だったのか。文筆家・米原万里の父にして、家事する議員として現代を先取りもしたブルジョア出身革命家の素顔に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
99
米原万里さん/井上ユリさん姉妹の父親として、二人の文章の中に何度も登場する米原昶氏。その業績を辿る評伝である。鳥取県のブルジョアの生まれながら、一高で共産主義に傾倒し、地下に潜って活動。戦後は、「赤旗」編集局長、衆議院議員三期など、日本共産党の国際派・理論派の大幹部として活躍した米原氏の人生は、正に、党の歴史そのものである。昶さんも妻の美智子さんも、ともに人間味あふれる人物で、共産主義の持つ冷血さや陰惨さを全く感じない。厳しくも温かい父の血がユリさんに、奔放な母の血が万里さんに受け継がれたのだろうか…。2025/08/09
辻井凌|つじー
3
おもしろい評伝は、取り上げられてる本人だけじゃなく周囲の人々も魅力的に写り、評伝でもあり群像劇にもなる。新聞紙の物質性や新聞配達をコミュニケーションツールとして捉えるなどメディアに関する興味深い切り口が続々。なにより副題のセンスが抜群。2025/11/01
linbose
2
★★★☆☆ 「近代日本メディア議員列伝」という評伝集の中の一冊なのだが、本書を手に取るのは、米原昶の共産党議員(赤旗編集局長)としての活躍というより、万里の父としての昶についての関心による人が多いだろう▼共産党の本流を歩いた人のようで「嘘つきアーニャ」のいたプラハ時代は諜報活動をしていたらしいのだが、そのあたりは謎のまま。メディアとの関係を中心に氏の活躍が書かれているのだが、どうしても関心がそこに向かない。やはり米原万里が書く準備をしていたという父昶の評伝はどんなものになっていたろうと、ないものねだり2025/10/02
古寺
2
日本共産党の国会議員だった米原。生まれは鳥取の財産家の次男、頭も良く、革命理論に出会わなければ東大に進学し、エリートコースまっしぐらの人生を送っていただろう。 しかし、20歳頃(1929年)、共産党員では無かったが長い地下生活に入った。著者は共産党とは無関係の30代の女性でメディアを研究している。革命にも政治にも無関係の学者から見た革命家の人生の描かれ方もちょっと面白かった。2025/09/01
RedDirtMarijuana
1
政治の論理・メディアの論理というシリーズを貫く縦横軸と、娘・万里の翻訳観をかけた副題が秀逸。狭間での揺れを最も感じたのはイタリア共産党贔屓という序章のエピソードでしたが(ミヤケンの下で出世したのに!)。 地下潜伏時代の支援者の姿が素描されるのも興味深い。 雑誌の発売日協定の違反を国会で追及しているが、物流危機の今となっては隔世の感。 あだ名が「梟」なのも面白い。YOU THE ROCK★とは違って目以外が真っ赤なフクロウ。2025/08/12




