内容説明
潜入心理師、人の心の「核」に触れる。
横浜みなと大学病院で働く月野ゆんは、精神疾患をかかえた人の心の「核」に潜入し、治療をおこなう潜入心理師だ。日本で初めて人の心に潜入した潜入師で、ゆんの憧れの先輩である本城京と、精神科の看護師経験を持つ、同じく潜入師の先輩・蓮まこととともに、ゆんは今日も患者の記憶のなかへと潜っていく。
ゆんには、患者の心の「核」がどこにあるかがわかる不思議な力があった。幼いころに母親から「あんたなんか、産むんじゃなかった」と言われた記憶、いじめに加担してしまった記憶、夫の不倫発覚など、ゆんたちが対峙する患者の心の「核」は様々だ。まだ新しい資格で成り手が少ないなか、ゆんがこの仕事を志したのには、実は理由があって──。
「ナースの卯月に視えるもの」シリーズで注目を集める元看護師の著者、待望の最新作!
(底本 2025年3月発売作品)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
さてさて
160
『自分の体を使って患者さんの心の中にもぐっていく。そこで、希死念慮の元を解消する。本当にそんなことができるのだろうか』。まさかの可能性に、様々な思いに苦しむ患者さんたちの『心の「核」』と対峙していく主人公の月野ゆん。この作品にはそんな月野が『潜入心理師』として苦闘していく様が描かれていました。元看護師の秋谷さんだからこそのリアルさの上に描かれるこの作品。『人の心の「核」』に何があるのかを探る展開に強い魅力を感じるこの作品。『人の心の「核」に触れる』という『潜入心理師』の設定の絶妙さに魅了される作品でした。2025/12/28
おしゃべりメガネ
99
装丁とは裏腹に中身はなかなかシリアスな作品でした。「自死」へ向かおうとする患者の心理に潜入し、その'死にたい'キモチの解明に挑む『潜入心理師』。そんな仕事に携わる「ゆん」があらゆる患者の心理に迫り、悩みながらも改めて生きるコト、死を選ぶコトを学んでいきます。少しSF的な要素もありますが、もしかしたら未来にはこういう医療も存在するかもしれませんね。作者さん自身が看護師出身で、あとがきにあるように精神科に働いていた経験から生まれた本作だけに、なかなかリアルですね。やはり死を選ぶの生きていてほしいですよね。2025/05/18
machi☺︎︎゛
85
架空の職業の「潜入心理士」の月野ゆんが主人公。希死念慮がある患者の中に潜入し死にたい気持ちの核となる部分を解いていく潜入心理士。まだ経験も浅いゆんがこの仕事で優秀な理由はゆんの過去にありそれが患者とゆん自身を救う事にも関係してくる。将来形は違えども本当にこんな職業が出てくるんじゃないかと思えるような内容だった。2025/06/16
itica
68
「潜入心理師」おお、新たな職業の登場だ。人の心の核に侵入して絡みを解く。なんのこっちゃ?と戸惑うが、この架空の職業に馴染めるかどうかで読後の感想が違ってくると思う。月野ゆんは新米の潜入師だが尊敬する先輩と共に日々励んでいる。実はゆんにはつらい過去があった…。精神科病棟で様々な患者に接してきた著者の溢れる想いが刺さって泣いた。死を選ぶ前に精神科を頼ることを心に刻む。 2026/03/14
Karl Heintz Schneider
56
月野ゆんは潜入心理師。人の心の「核」に潜入し「絡み」をほどくことにより希死念慮を軽減することを目的とした専門職。特殊な装置により患者の意識の中に入り「死にたい」と思わせている原因を除去する。過去に辛い経験をした専門心理師ほど患者の「核」に気付きやすいと言われる。ゆんもそのうちのひとりだ。彼女が専門心理師を志したのには辛い記憶があったため。過去がフラッシュバックしながらも、必死に患者を救おうとする姿にグッときた。元看護士と言う経歴を持つ著者だけに描写も緻密。これからも追いかけてみたい作家のひとりだ。2025/09/29




