内容説明
稀代の文学研究者がゆくワンダーランド!
単なる旅行記ではありません。
この豊潤すぎる言葉とイメージの
洪水に打たれて震えろ!
――ブレイディみかこ(作家)
横道さんの知性と“間違う力”に
度肝を抜かれた!
――高野秀行(ノンフィクション作家)
各誌書評で大絶賛された異色の「当事者紀行」がついに文庫化。
とにかく凸凹(でこぼこ)な文学研究者がゆく圧巻のワンダーランド!
・ウィーンの夜道を“反復”徘徊し、月面世界と接続する
・グラナダの“フロー体験”とヴァージニア・ウルフの『波』
・美しきソニアと村上春樹をめぐるマインドワンダリング
・カサブランカ――“砂塵の水中世界”とムーミン谷…etc.
奇跡の“ハイパートラベル当事者研究”がここに。
単行本 2022年4月 文藝春秋刊『イスタンブールで青に溺れる 発達障害者の世界周航記』
文庫版 2025年3月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小太郎
35
書店の平積みで気になりました。横道さんは初読みですがこの本、単行本で評判になっていて文庫化されたようです。読みながら驚きました、発達障害の当事者の視点がちょっと変わった旅行記かなと思ったんですが全然違いました。膨大な読書量、音楽、文芸全般、サブカルに関しての百科事典的博学知識、そして多言語を操る?知性に裏打ちされ客観的に自分を曝け出す青春彷徨記ではありませんか!当事者だからこそ書ける物事の捉え方がとてもリアルです。絵画、音楽、書物の趣味の良さ、加えてそれぞれに対する洞察の深さに圧倒されました。★4.52025/04/10
原玉幸子
17
著者は自閉スペクトラム症(ASD)に注意欠如・多動症(ADHD)、発達性協調運動症(DCD)傾向に聴覚情報処理障害(APD)を抱えていて、更には、斜視に真性包茎、学校のいじめより激しい新興宗教の狂信信者の母親の家庭で育った所謂宗教二世との「これでもか」との生い立ちで、旅行体験を通じての彼なりの世の中との折り合いの付け方を語ります。著者の文学や絵画や音楽を巡る感性と思索が、旅行という体験に絡め捕られる描写に「分かるわぁ」と大いに感情移入し、その臨場感と迫真性に心を動かされ感動しました。(◎2026年・夏) 2026/08/05
たっきー
10
40歳で発達障害の診断を受けた著者が20代後半〜30代にかけて海外のいろいろな地域にいった記録。日本で人とうまくつきあえない部分があり、海外に行っても言葉の壁とは別に、変な人と認識されるのを著者が感じとっているところが興味深い。特性的に他の人より秀でている部分と苦手な部分が極端に出てしまう(今の子どもだったら「発達に凸凹がある」いう表現をされそうな)ため、海外の人からストレートに「(人として)秀でているのか愚かなのか」と困惑されながら問われる部分がリアル。発達障害の診断がつくことが良いかどうかは一概には→2025/04/04
アメヲトコ
8
単行本2022年刊、25年3月文庫化。40歳のときにASDとADSDであると診断された文学者の著者が、若い頃の世界の旅のことを振り返りつつそこで感じたことなどを綴った「当事者紀行」。目にしたものから次々と連想が飛んだり、五感の刺激が過剰なまでに増幅するような感覚はなかなかに強烈。かなりナルシスティックな自分語りが続く印象もありますが、これも当事者研究ゆえか。本人はコミュ障と書いているものの、圧倒的な教養と語学の才能と鋭敏な感覚は、(これもまた著者がほのめかすように)モテるだろうなあ。2025/04/24
totuboy
3
発達に特性がある人間だからこそ書ける部分が、うまく旅行記として成り立っていると思う。いろいろと赤裸々な告白もあり、読んでいる側がドキドキするような個所もあるが、良くも悪くもストレートに表現することで本の内容が充実していくのは素晴らしい。なんだかんだ言っても、みんながいいと思うものが好きなところ、実はソウルや沖縄への旅行が一番筆者の琴線に触れているのではないかというところも面白い。2025/03/23




