内容説明
焼肉擬人化漫画をこよなく愛する腐女子の由嘉里。人生二度目の合コン帰り、酔い潰れていた夜の新宿歌舞伎町で、美しいキャバ嬢・ライと出会う。「私はこの世界から消えなきゃいけない」と語るライ。彼女と一緒に暮らすことになり、由嘉里の世界の新たな扉が開く……。推しへの愛と三次元の恋。世間の常識を軽やかに飛び越え、幸せを求める気持ちが向かう先は? 死にたいキャバ嬢×推したい腐女子――金原ひとみが描く恋愛の新境地。第35回柴田錬三郎賞受賞作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セシルの夕陽
56
初読み作家。由嘉里27才銀行員、恋愛経験ゼロ、焼肉擬人化アニメに陶酔する腐女子。そんな由嘉里の一人称の物語。句点が極端に少ない文体に戸惑った序盤。歌舞伎町キャバ嬢:ライに拾われ一緒に暮らすことになった。2次元にしか興味がなかった由嘉里が、2.5次元的なライやホストのアサヒと接するうちに、生身の他人と共存できていく…句点が程よい文体へ変わっているではないか! 『死にたみ』のライを、思い止まらせるため、必死になる由嘉里…自己肯定感も出てきた♡ 振り切った登場人物が多かったが、他の作品も読みたくなった⭐️2025/08/18
mayu
26
焼肉を擬人化した漫画を推して推して推しまくっている腐女子の由嘉里と希死念慮を持つ美しいキャバ嬢のライ。死んで消えてる状態が本来の姿だというライに生きる気持ちをどうしても持ってほしい由嘉里。恋愛経験が無くて恋愛する事に憧れを抱き過ぎてる暴走思考が面白くてグイグイ読ませる。ライを想う由嘉里の気持ちもわかるし、根本的に持っている概念が違うのもわかる。自分を受け入れて変化していく姿は逞しくもあって、少しうらやましかったなぁ。圧倒的パワーと勢いに押されたジェットコースターの様な小説だった。2025/01/27
鈴木拓
25
なぜ泣けるのだろう。ライの言葉を聞いていると、安易に共感とは言えないし、誰もが寂しさを抱えて生きているといった、わかったような言葉で片づけるのも違う気がする。人それぞれ、みんな違っていいと言いながらも、それを許さない社会には生きづらさを感じる。しかし、ライと暮らすようになってから由嘉里が出会った人々は誰もが優しい。それぞれが自分の生き方をもって、その生きづらさも受け入れて、生きることを選んでいることが伝わる。彼らと一緒に過ごせたら、自分は自分でいいと感じられるかもしれない。好きな作品がまたひとつ増えた。2025/11/17
elsur
25
怒涛の言葉で語り尽くされる由嘉里の物語。はじめての金原ひとみ作品だったが、余計な文学的描写や無節操な間が一切排除された文体はとても読みやすく心地よかった。日常的にスマホニュースに齧りついてるようなテキスト中毒者にはもってこいの文体。物語はといえば、様々な感情を想起させられた。憧れや諦めだったり、もしも!やそんな未来もあったかもね?だったり。家族含め、人と人のつながりは面倒で厄介なものだけど、それでもその繋がりがあるからこそ、今こうして在ることができているのも事実なんだよね。そして、なんとなく、ライを想う。2025/07/30
練りようかん
21
柴田錬三郎賞きっかけ。主人公が愛する漫画設定が面白い。住んでる世界が違うと思っていた人がすごいスピードで和める人になっていく展開は、最近の既読金原作品あるあるで、出会った女性を通すと主人公が執着ありまくる女だと気づかせてくれるのが良い。自認はマイノリティでもマジョに迎合でき、自分がされてきた価値観の押し付けをガシガシやっていたという加害性が顕になる主人公が皮肉で、実体のない社会と個人の学習性不能感が胸を締め付けた。印象的なのは希死念慮を性転換前の違和感に例えたこと。寄り添い方のヒントをもらえた気がする。2025/09/21
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