内容説明
「物語の原型」、誰もが知る、かぐや姫と5人の求婚者、帝が繰り広げる異世界譚を、「まるで僕が書いたような物語」と語る大人気作家が敬意をこめて抱腹絶倒・大胆不敵に新訳した画期的必読古典。
かぐや姫×森見登美彦!
1000年以上も読み継がれる「物語の原型」を
竹林をこよなく愛す当代の人気作家が現代語訳!
翁がある日、光る竹の中に見つけた可愛らしい小さな人。やがて絶世の美女に成長したかぐや姫は、言い寄る求婚者たちに無理難題を課す。恋に破れ去る男たち、そして、「その日」は近づく――千年以上も前に書かれ、読み継がれてきた異世界譚を、竹林に並々ならぬ思いを寄せる作家・森見登美彦が現代語訳した必読の一冊!
竹取物語とその現代語訳にまつわる舞台裏をたっぷり語った講義「作家と楽しむ古典 僕が書いたような物語」、竹林の中へ入り込んだ幼少期の原体験からはじまる文庫版のための書き下ろしあとがき「生きていることのふしぎ」も収録。
【もくじ】
竹取物語
全集版あとがき 千年の失恋
特別収録 講義「作家と楽しむ古典」 僕が書いたような物語
文庫版あとがき 生きていることのふしぎ
解題 大井田晴彦
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ペグ
71
(桃太郎)は勧善懲悪。(カチカチ山)はアクション。(浦島太郎)はファンタジー含む人生訓。そして(竹取物語)はSFファンタジー❗️森見登美彦さんの文章を読んだのは初めてだけど、原典を 壊さぬように訳されたとのことだけど、端々にきっと訳者の個性が顔を出して好感度大。終わり方も教訓めいたところがなくて好きだった。 そして富士山という名の由来に首肯する。素敵な読書体験だった🌿2026/02/24
いたろう
66
有名作家が古典文学の新訳をする、「古典新訳コレクション」の1冊。今更、竹取物語の話を読んでも、というところだが、訳したのがモリミーということで、興味を持って手に取った。しかし、モリミー、エッセイ「美女と竹林」とか、そこから派生した「森見登美彦リクエスト!美女と竹林のアンソロジー」とか、どんだけ竹が好きやねん。何でも大学院の研究テーマが竹だったというから、筋金入り。しかし、あとがきにも書かれているが、この竹取物語自体が、美女を巡って、阿呆な男どもがてんやわんやする話ということで、まさにモリミーの世界だった!2025/12/07
はっせー
57
かぐや姫と結婚したい5人のド阿呆男たちって感じ!原文から離れすぎていないところもよかった。現代語訳するときの方針が2つある。①原文にない事柄はできるだけ補わない。②現代的な表現を無理して使わない。森見さんが『竹取物語』について語った一節を引用する。どんな思いで現代語訳したかが分かるかなと思う✨️「『竹取物語』は、地上に降り立ったかぐや姫が、あたかもトーナメント戦を勝ち抜くかのように、現世のルールを次々と打ち破り、最終的には地球を丸ごと失恋させる物語といえる。その失恋の余韻は、千年以上も尾を引いたわけだ。」2025/12/26
佐々陽太朗(K.Tsubota)
51
森見氏は『竹取物語』を森見文学に再創造した。しかしそれはけっして原文を軽んじているのではない。『竹取物語』を愛し、それ故に森見氏なりの化粧を施している。原文の持つ”澄んだ美しさ”といったテイストを”ユーモアと温かみ”をもったものに変えることに成功しているのである。しかしその態度は真摯であり決して軽々しいものではない。物語へのしっかりとしたリスペクトがあり、やり過ぎにならぬようギリギリのところにとどめている。森見氏はあとがきに「最終的には地球を丸ごと失恋させる物語だ」と評した。まこと、そのとおりであるなぁ。2026/06/21
みねね
46
竹を巡る、モリミーと古典と読者との出会い直し。読めば読むほどかぐや姫が竹から出てくる必然性がないのだが、これは僕の竹経験値が足りないからなのだろう。あとがきにある通り、竹林には一種異界への扉を思わせる何かがあるんだろうな。2026/01/03




