日本経済新聞出版<br> 「経済大国」から降りる ダイナミズムを取り戻すマクロ安定化政策

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日本経済新聞出版
「経済大国」から降りる ダイナミズムを取り戻すマクロ安定化政策

  • 著者名:神津多可思【著】
  • 価格 ¥2,750(本体¥2,500)
  • 日経BP(2025/02発売)
  • ポイント 25pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784296120000

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内容説明

●金融政策は2%目標にこだわらず柔軟に。財政は一気に健全化は目指さず

 金利は今後、日本でもこれまでの政策を転換し、2%を超える局面が出てくるだろう。ただ、引き続き日本の潜在成長力の低さより、急激なインフレは起こらない模様。これまでの政策で、ひたすら「2%」にこだわることに意味があったのか。今後は供給構造の変化に着目し、他国の動きもみながら柔軟に対応することが必要になる。
 財政は、ブランシャールのDynamic Debt Sustainability Analysisを支持する。「政府の資金調達コスト<名目経済成長率」が維持できればある程度の財政赤字は保てると思うが、感染症や大規模災害に備え、赤字の削減はある程度は行っておくのがよいだろう。
 このように、まだ日本でも対応策は残されていると思われるが、一方で緩和余地+財政赤字余地は限りなく少ない。そういった中で、日本は欧州型のように比較優位分野に決め打ちをする産業構造にかえていく必要がある。日本は完全雇用に近い状態が続くと今後も想像されるが、日本の成長力を保つには、その中身が大事だ。ゾンビ企業を排し、リスキリングを柔軟に行ったうえで、産業構造を見直していくことが求められる。

 著者の神津氏は、日銀出身で、リコーの経済社会研究所で所長も務めた人物。マクロ分析には定評がある人物のひとり。

目次

第1章 再論・バブル崩壊以後の日本経済
 
第2章 あるべきマクロ安定化政策の姿

第3章 日本の金融政策をどう考えるか(1)──マクロ経済環境との関係
 
第4章 日本の金融政策をどう考えるか(2)──運営上の論点

第5章 日本の財政政策をどう考えるか

第6章 誤謬なきこれからの日本経済のイメージ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tetsubun1000mg

10
タイトルが今の日本に合う感じがして選んでみる。 バブルの時代から、弾けてデフレに陥った日本の状況とその原因が綴られてる。 筆者も言われているように後出しの検証なので間違いないのだが、デフレの対策自体が希望的観測で作られていたという事だった。 永すぎたデフレ対策が、最近まで続いた異次元の量的緩和だが、効き目がなかった事と膨大な額の国債と債権が残っている。 辞めた総裁は知らん顔で退職金と年金もらってるんだろうな。 「経済大国から降りる」については最後の章で語っているが思っていたより言及が少なかった印象でした。2025/06/23

gokuri

5
日本経済の停滞の理由として、人口減少(少子高齢化) 、グローバル経済の進展、デジタル化が大きな要因としてあげられている。これらに対してここ30年の日本の金融政策、財政政策が適合してこられなかったとの指摘がされているが、多くは結果論のように思えてしまった。 しかし、著者がいう「誤謬」という、社会全体のデフレの雰囲気というものが、バブル崩壊以降つねに漂っていいたようにも感じている。分析と今後の対応について、私にはついていけない箇所も多かったが、経済大国から降りることについて、もう少し具体の記載がほしかった。2025/06/20

Go Extreme

3
デフレ脱却さえすれば成長が回復するという短絡的な考え方 日本の金融政策は長年 普通の状態から逸脱していました 物価上昇=成長という前提 マクロ経済政策がすべてを解決するという過信 量から質への転換 そして持続可能な経済への移行 景気の過熱・冷え込みを平準化する金融政策の本質的役割 日本の成長が停滞した根本原因は ビジネスモデルの転換が進まなかったこと 小さくとも一人当たりの豊かさや社会の安定性が高い経済 金融緩和だけで経済を再生できるという認識は誤り 人口減少下でも豊かさを維持・向上させる多様性と柔軟性2025/04/06

O次郎

2
無知ゆえに経済学的な議論については着いていけない部分もあったが、全体としては面白かった。「経済大国を降りる」というタイトルだが、ここで意味している「大国」とはかつてのGDP世界2位時代の幻想を追い求めない程度の意味であり、英仏独のような欧州の経済大国のレベルまでいかに軟着陸させるかという議論となっている。そのために企業がリスクテイクしやすい経済環境の整備を必要とする議論には納得がいく。また、著者は緊急時に備えての財政余力の必要性を主張しているがこれは安全保障に直結する課題だと感じた→2026/07/19

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