内容説明
アジアは遺跡の宝庫だ。
そこに立つと何かが見えてくる。
謎のインダス都市、新発掘の274体の仏像で注目されるアンコール、土砂の下から出てきたシルクロードの仏教壁画、そして植民地支配の痕跡……。
それらはことごとく盗難や破壊の危機にさらされている。
長い時間をかけて撮りつづけてきたフィルムのなかから18ケ所の遺産・遺跡を選び出し、カラー写真とエッセイで紹介する。
■□■目次■□■
第1章 眠りから覚めたインダス文明都市遺跡:インド・ドーラヴィーラ
第2章 大地が聖堂だった:トルコ・カッパドキア
第3章 かつてヒッピーを惹きつけた町:ネパール・カトマンズ
第4章 最古の仏教壁画:インド・アジャンタ
第5章 絶滅収容所アウシュヴィッツ:ポーランド・オシフィエンチム
第6章 アンコール遺跡群:カンボジア
第7章 不毛の地に残る千仏洞:中国・キジル
第8章 天への階段イフガオ:フィリピン・ルソン島
第9章 旧朝鮮総督府:韓国・ソウル
第10章 ワット・プー(山の寺):ラオス
第11章 千年の都イスタンブル:トルコ
第12章 砂漠の宮殿ペルセポリス:イラン
第13章 人類初めて鉄を手にした人たちの都ハットゥシャ:トルコ
第14章 東西文化融合遺跡タキシラ:パキスタン・ガンダーラ
第15章 文明の十字路サマルカンド:ウズベキスタン
第16章 ブッダガヤ:インド
第17章 エローラ石窟:インド
第18章 メソポタミアの悲劇:イラク
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
14
人間を救うはずの宗教が引き起こした戦争で傷つけられた遺跡の写真が生々しかった。知らない名を持つ遺跡も多く、自分の不勉強さを恥じるばかりだった。2013/12/07
中島直人
5
(図書館)写真と共に著者の生の声、生々しい声が聞こえてきて、それが写真を活き活きとさせている気がする。表紙のアンコールの仏像が象徴的。2022/05/24
とりもり
3
行ったことある遺跡は少なくって、ほとんどは書物でしか見たことない(現在では危険で行けない)ところが多い。アジア中心なので全体に仏教関連の遺跡が多いけど、ヒンズー教やゾロアスター教、はたまたトルコはキリスト教など、遺跡を遺した宗教は異なれど真摯な祈りの気持ちは同じ。なのにどうしてこうも宗教間の対立が多いのか…。民族対立の残滓としてのアウシュビッツや旧朝鮮総督府を含め、遺跡を通して深く考えさせられた。そんなこと考えなくても、写真と紀行文だけでも十分に楽しめる一冊。もう少し写真が多いと尚良し。★★★★☆2024/12/01
雲をみるひと
3
遺跡、史跡を解説した本。紀行文としての要素もある。なかなか足を運べない遺跡も取り上げられており興味深かった。題名にアジアとあるが、一部アジア以外も含まれている。2018/11/17
マーク
3
33 よくぞこれほどの遺跡に通いつけたものだと思う。