内容説明
町にねむる思い出と子どもたちがであったとき、
ごくふつうの公園ではじまる
5つのふしぎな物語。
キミコに植えこみの奥から声をかけてきたのは、草を編んだお面をつけた人。ふしぎなことをたのまれます。「草のお面」
マユがおじいちゃんと歩いていたら、グラウンドの真ん中に古い電話ボックスがありました。電話のベルが鳴りはじめます。「もしもし、もしもし」
ピアノのレッスンに気乗りしないナオキは、誰もいない公園でふしぎな女の子と出会います。「雪空ピアノ」
公園に集まった、たくさんの人。結婚式、それともなにかの撮影でしょうか。近づくと、おじいさんに声をかけられます。「アルバム図書館」
小さな翼をもつペガサスのメメに乗って、ショウタはどこかなつかしい場所へやってきます。「メメ」
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今では、「まほろ公園」という名前は知っていても、その意味がわかる人は、あまりいないかもしれません。
だいたい、まほろ公園で遊んでいる子のほとんどは、“まほろ”の意味を“まぼろし”のことだとかんちがいしているようです。
なかには「まぼろし公園」とよぶ子もいます。
文字が、にているからでしょうか。
それとも、ほんとうに“まぼろし”を見た人がいるからなのでしょうか……(本文より)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
遠い日
3
思い出や記憶は人を作るよすがだと、常々わたしは思っています。その意味では土地や場所にも、そのような蓄積がなされても何の不思議もないように感じます。この物語の舞台となる「まほろ公園」は60年前に洪水で町が流された時に、思い出たちがたどり着いた場所。時折見える不思議なものや人は、そんな思い出たちから立ち返ってくるのです。山茶花が咲き誇る神社の跡は、そんな思い出たちと繋がった人々と過去とを結びつける場所。時間は堆積し、過去は今と繋がっていることに安心もし、ちょっぴり寂しかったりもするのです。2025/01/24
ゆき
1
図書館で見かけてジャケ借り。笑 中身は知らず表紙に惹かれて借りた一冊だったけど表紙にこのお話の全部が詰まってるなんて!1話目が裏表紙なので気がつきにくく、2話目でようやく「あれ?!」と表紙を眺める。お話と優しい絵のタッチがとてもよくあってて素敵。▼かつて水害があった街の不思議なお話。幽霊っぽい少し日本の仄暗い怖さがあるのだけどファンタジー要素もしっかりありでちょうどいい塩梅。草のお面の下が気になる…。▼各お話がちょうど最後で繋がってくるのも楽しい仕掛け。小学生高学年にお勧めしたい。2025/04/02
takao
0
ふむ2025/08/20