月とアマリリス

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月とアマリリス

  • 著者名:町田そのこ【著】
  • 価格 ¥1,683(本体¥1,530)
  • 小学館(2025/02発売)
  • ポイント 15pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784093867450

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内容説明

本屋大賞作家の新境地となるサスペンス巨編!

声なき声が届くなら、今度こそ記者を諦めない。

『52ヘルツのクジラたち』で2021年本屋大賞を受賞後、『星を掬う』『宙ごはん』で同賞に3年連続ノミネート。人間ドラマを中心に執筆してきた町田そのこさん、初のサスペンス巨編!

北九州市の高蔵山で一部が白骨化した遺体が発見された。地元のタウン誌でライターとして働く飯塚みちるは、元上司で週刊誌編集者の堂本宗次郎の連絡でそのニュースを知る。
遺体と一緒に花束らしきものが埋めれられており、死因は不明だが大きな外傷はなかった。警察は、遺体を埋葬するお金のない者が埋めたのではないかと考えているという。
遺体の着衣のポケットの中には、メモが入っていた。部分的に読めるその紙には『ありがとう、ごめんね。みちる』と書かれていた。
遺体の背景を追って記事にできないかという宗次郎の依頼を、みちるは断る。みちるには、ある事件の記事を書いたことがきっかけで、週刊誌の記者を辞めた過去があった。
自分と同じ「みちる」という名前、中学生のころから憧れ、頑張り続けた記者の仕事。すべてから逃げたままの自分でいいのか。みちるは、この事件を追うことを決めた──。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヴェネツィア

541
プロローグはミステリー然として始まる。たしかにミステリーには違いないのだが、犯人探しといった種類のそれではない。元事件記者のみちる(本作の語り手でもある)の渾身の取材によって事件の全貌が次第に明らかになってゆく。そこには井口という相棒がいて、みちるは何度も救われるのだが。物語の場もいたってリージョナルな中で展開するのだが、会話文が基本的には北九州の方言で語られることもあって、その作品世界の狭さは作品の欠点とはならないで済んでいる。また、様々な形で残る男尊女卑の気風が、作家にこの作品を書か せる原動力⇒2025/07/14

パトラッシュ

421
仕事に挫折した元ライターの女性が、地元で発覚した死体遺棄事件を追いながら自信を取り戻す姿を描き出す。話の展開は面白く、過去の傷に苦しみながら逃げるのをやめて向き合うドラマは読んでいて好感が持てる。やはり辛さを抱えて必死に生きてきた周囲の人びとも、彼女の懸命さを目の当たりにして勇気を出さねばと悟るのだから。しかし明らかになったのは、クズ男とダメ女の共依存の果てに起きた不必要な死という救いようのない事実。ヒロインが逃げるのをやめるラストは希望の光が瞬くが、明日に希望を持てない日本人の劣化こそ本当のテーマかも。2025/05/02

さてさて

416
『たくさんの大きな声の中に埋もれて消えてなくなりそうな言葉を拾い上げ、響かせることができるのが記者だ。わたしはそう信じてきた』。一人の記者として事件の舞台裏に隠された真実を追い求めていく主人公のみちる。この作品にはそんなみちるの目を通して事件の舞台裏に眠るまさかの事ごとを浮かび上がらせていく物語が描かれていました。町田さんらしくさまざまな社会問題に光を当てるこの作品。雑誌記者の”お仕事小説”の側面も見せるこの作品。みちると共に真実に辿り着いた読者に去来するさまざまな思いが強く胸を打つ素晴らしい作品でした。2025/03/03

starbro

414
町田 そのこは、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、著者の新境地でしょうか、社会派厭ミステリの佳作でした。超少子高齢化の今、子供、女性、弱者を社会が守らなくてはいけません。 https://www.shogakukan.co.jp/pr/amaryllis/2025/04/04

hirokun

317
★4 町田さん初のミステリー小説という事で期待して読み始めた。内容としては、ミステリー小説の謎解きを楽しむというよりは、犯罪の真因に迫るジャーナリストの矜持と加害者・被害者の心理描写の巧みさに感心する作品であったように思う。町田さんの作風を理解するほど読み終えた作品があるわけではないが、人と人との関わり合いの大切さを十分に理解している作者だからこその作品だ。昨今の時代を反映したものだろうが、ジャーナリストの果たすべき役割、これからの時代こそその真価を発揮すべき必要性を再認識させられる読書でもあった。2025/03/30

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