内容説明
生物学的な男(メイル)が生まれなくなった近未来。
メイルは貴重な資源とされ、無生殖能力者(スュード)である鶫(ツグミ)は、
メイルの略奪者として働いていた――
「スュードに生まれるのは悪いことなの? なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう」
任務に背いてメイルを解放した鶫。
そのメイルを連れ、唯一メイルが生まれる太母市に潜入する。
そこで鶫が見たものとは――
===
決断したという自覚さえないままに、鶫は戦士になっていた。
なぜ、こんな生き方を選んでしまったのだろう。
およそ、この世に略奪者ほど卑しく汚い仕事はないのに。
あるいは、それだからこそだったのか。
スュードは何も生み出さない。
無意味で不毛な人生を送って虚しく死んでいくだけだ。
やりたいこともなりたいものも特に見つからなかった。
それとも、考えようともしなかったのか。
母親にさえ見捨てられる無価値な存在が
人生について真剣に思い悩んだところで何になる。
自分には人に蔑まれる仕事こそがふさわしいのだ。
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