内容説明
絵本は,絵とテキストの融合によって生みだされる芸術の一ジャンル.半世紀にわたって新しい作品や作家と出会いつづけてきた著者が,数多くの作品を引きながら,古代から現在におよぶ絵本の歴史をたどり,表現のさまざまな技法と可能性について縦横無尽に語る.あらゆる世代の読む目を開かせ,刺激する,渾身の絵本論.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
目次
第1章 絵本とは何か
1 絵本は子どもの本?
大人が楽しむ絵本
絵本が子どもの本といわれるようになったのはいつ?
2 絵本はどういう表現ジャンルか
絵入りの書籍比べ
絵本は総合芸術
第2章 絵本の表現
1 絵本の絵を読む
絵を読む
絵本の絵を読む
2 絵とテキストの関係
絵が先か,テキストが先か
絵とテキストによる表現の効果
3 画面展開の理論と技術
めくる構造
連続画面の表現技術と効果
異時同図と異空間同図
4 名作の分析
『わたしのワンピース』
『おやすみなさい おつきさま』
『よあけ』
『きょうはそらにまるいつき』
第3章 絵本の歴史
1 絵画と物語
洞窟壁画
絵画は物語を描く
絵画は物語を生み出す
文芸と一体化した絵画
カリカチュア(風刺画・寓意画)
2 絵本の源流――写本の時代
手書きの書籍の始まり
ヨーロッパの写本
日本の絵巻物
3 絵本の萌芽――版本の時代
印刷の歴史とヨーロッパの挿絵本
江戸絵本
4 現代絵本の誕生と展開
アメリカの絵本黄金期
大正・昭和初期の絵雑誌
現代絵本の幕開け
子どものための物語からの解放
5 現代絵本の発展
評論と研究
表現スタイルの多様化と内容の深化
第4章 絵本の可能性
1 絵本は何を語れるか――テーマの広がり
思想・生き方
戦争と平和
東日本大震災・原発事故
人権・差別
老いと死
自然・地球環境
歴史
2 これからの絵本
電子書籍と紙文化としての絵本
新しい絵本のスタイル
絵本制作の課題
絵本の未来のために
あとがき
引用・参考文献
本書で取り上げた主な絵本
感想・レビュー
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