内容説明
日本の思想において,「霊性」はいかに捉えられてきたのか.王権と神仏の拮抗,近代における国家と宗教の一元化と批判,戦後の憲法制定と社会変容など,霊性を軸に新たな思想史の可能性が提示される.その豊かな思想的蓄積から,生者と死者の共存,精神的領域での結合を追求する社会のあり方など,未来への思考をひらく.
目次
序 章 日本の思想をどう捉えるか
Ⅰ 王権と神仏――日本思想史を再考する
第一章 日本王権論序説――世俗的存在か宗教的存在か
第二章 王権と儀礼――前近代思想の中の天皇
第三章 中世仏教の再定義――身体/勧進/神仏
第四章 「近世」という難問――「中世」でもなく「近代」でもなく
第五章 復古か革命か――「維新」という転換
Ⅱ 霊性から近代を捉え直す
第六章 近代化とは何だったのか――隠された霊性
第七章 さまよえる霊魂――近代の中の来世と霊魂
第八章 世俗/カルト/霊性――近代国家と宗教
第九章 夢みる憲法――前文から読む戦後憲法
第一〇章 きずなとしての霊性――境界を越えて結びあう
結 章 王権と文化――古典文化の形成と再生
初出一覧
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
to boy
21
日本における天皇、宗教、神道の関係を江戸時代まで、終戦まで、終戦以降の三つの時期に分けて考察した大作。江戸時代、武家政府になっても天皇制を廃止することなく続いた理由、明治以降は天皇を中心とした政治形態でありながら精神的な補完として神道が必要だったこと。現代ではポスト合理主義として再び宗教が(一部ではカルトとして)復活し始めているとの指摘。私たちの世界は政治経済、科学だけで成立しているわけでなく、それを超えた精神世界(霊性)を考慮して理想を描き出す必要があるのではないかとのこと。2025/07/01
Go Extreme
1
日本思想の構造:大伝統 中伝統 小伝統 王権 神仏関係 近代化 霊性 王権と神仏:天皇制 神仏習合 仏教の影響 王法仏法相依論 神道の役割 儀礼と秩序 中世・近世:武士政権 勧進活動 近世の社会構造 文化の発展 近世と近代 近代化:明治維新 国家神道 教育勅語 民衆文化の変化 霊性の隠蔽 世俗化と宗教:近代国家 世俗化 カルトの台頭 宗教の役割の変化 霊魂と来世観:伝統的霊魂観 科学と霊魂の関係 スピリチュアリズム 死生観の変化 王権と文化:古典文化の形成 伝統文化再生 王権の文化的影響 近世の芸術発展 2025/03/19
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