資本主義の新しい形

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資本主義の新しい形

  • 著者名:諸富徹【著】
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 岩波書店(2025/02発売)
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  • ISBN:9784000287333

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内容説明

資本主義が「非物質化」の方向へと進化している.この変化の本質を見定めることによって,日本企業の産業競争力の低下,経済格差の拡大,温暖化対策の停滞といった諸問題に真に迫ることができる.日本経済をとりまく課題を理論的かつ包括的にとらえ,進むべき方向としての社会的投資国家のヴィジョンを明確に打ち出した迫力の一冊.

目次

はしがき
第一章 変貌しつつある資本主義
1 資本主義の本質──変わるものと変わらないもの
1 資本主義の変わらぬ本質
2 資本主義の進化としての「非物質化」
3 企業の競争優位源泉の非物質化
2 資本主義はどこへ行こうとしているのか
1 資本主義は「長期停滞」に入ったのか──サマーズの問題提起
2 「自然利子率の低下」が意味するもの
3 なぜ「投資機会の喪失」が起きているのか
3 長期停滞と日本経済
1 日本企業における「利益剰余金(内部留保)」の増加傾向
2 投資の停滞
3 分岐点としての二〇〇〇年
第二章 資本主義の進化としての「非物質主義的転回」
1 資本主義の「非物質主義的転回」とは何か
1 知識産業、脱工業化、ポスト資本主義
2 「非物質主義的転回」の定義
3 資本の非物質化
4 労働の非物質化
5 消費の非物質化
2 経済学における「非物質主義的転回」
1 ソローの新古典派成長モデルとその限界
2 人的資本と内生的成長論──その意義
3 研究開発とシュンペーター的「創造的破壊」
3 マクロ経済における資本主義の「非物質化」
1 資本主義発展における無形資産投資の重要性
2 無形資産投資の推計
3 日本における無形資産投資の停滞
4 無形資産投資の経済成長・産業構造転換へのインパクト
5 無形資産投資の経済政策・産業政策上の含意
第三章 製造業のサービス産業化と日本の将来
1 日本企業の国際競争力低下
1 象徴としての電機産業の凋落
2 労働生産性と収益率の低下
3 設備投資の低迷
4 なぜ無形資産投資の重要性を理解できなかったのか
5 何のためのICT投資か
2 資本主義の非物質主義的転回としての「脱炭素化」
1 資本主義の死命を制する脱炭素化
2 新しい投資機会としての脱炭素化
3 脱炭素化を前に立ち止まる日本
4 脱炭素化と経済成長は両立する
5 脱炭素化と産業構造の転換
6 産業政策上の政策手段としての「カーボンプライシング」
3 「製造業のサービス産業化」と日本の製造業の将来展望
1 製造業のサービス産業化とは何か
2 製造業のサービス産業化と第四次産業革命/産業のデジタル化
3 製造業のサービス産業化はどのように進行したのか
4 「サービスで稼ぐ」製造業
第四章 資本主義・不平等・経済成長
1 現代資本主義と不平等・格差の拡大
1 「経済の非物質主義的転回」は何をもたらすのか
2 不平等と格差の拡大
3 何が格差拡大を生み出しているのか
4 人工知能(AI)は格差を拡大させるか
5 ベーシックインカムより人的資本への投資を
2 「公共投資国家」・「福祉国家」から「社会的投資国家」へ
1 社会的投資国家とは何か
2 経済成長戦略としての人的資本投資政策
3 スウェーデンの良好な経済パフォーマンスの秘密
4 経済安定化政策としての積極的労働市場政策
終章 社会的投資国家への転換をどのように進めるべきか
1 資本主義新時代の経済政策
2 人的資本投資の拡充
1 少なすぎる民間企業の人的資本投資
2 日本政府の過少な人的資本投資
3 「日本版積極的労働市場政策」としての雇用保険制度
4 権利としての職業教育訓練
3「同一労働・同一賃金」、賃金上昇、マクロ経済政策
1 本来の「同一労働・同一賃金」とは何か
2 「労働者は守るが、企業は守らない」
3 マクロ経済政策でどう合意形成するか
4 産業構造転換の促進手段としての同一労働・同一賃金
4 脱炭素化へ向けた産業構造転換
1 「非物質化」と「脱炭素化」の同時達成を
2 脱炭素化に向けた産業構造転換の加速
3 カーボンプライシングの導入
4 日本経済の将来展望

参考文献
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

おせきはん

19
データに基づき、情報化、研究開発、人的資本といった無形資産への投資、特に人的資本に対するさらなる投資の必要性を体系的に理解できました。2023/06/25

那由田 忠

16
サービス経済の拡大とグローバル化として語られてきたのを、資本主義の非物質主義的転回として説明する。製造業がなくなる脱物質主義化ではなく。物的なものが非物質によって新たな価値を得るわけだ。知識革命や技術革新と言われたものを経済学的に位置づけたとも言える。マクロ経済では無形資産が注目されるが、実態が十分に把握されていない。欧米に比して日本企業は、ものづくりが強調されデジタル後進国であって、この転回が遅れている点に経済停滞の主因を見る。弱点があるものの、基本方向はこの見方で資本主義の将来を考察したいと考えた。2020/11/27

masabi

9
【概要】資本主義の「非物質主義的転回」を軸に日本の現状、向かうべき展望を論じる。【感想】経済価値を生む源泉が有形資産から無形資産へと移行する資本主義の進化に日本企業と政府が対応し切れていない在り方が経済の停滞、市場シェアの凋落をもたらしたとする。人的投資の拡充と脱炭素経済の樹立が基本的な処方箋で、法制度や企業経営に抜本的な改革を迫る内容だった。環境対策と人的投資の整備では国家が全面に出なければならないので「社会的投資国家」への転換を図ることになる。2022/03/07

人生ゴルディアス

8
最近人気の無形資産関連本。『無形資産が経済を支配する』よりはもっとデータを用いて、モデル理論等にも踏み込む感じの経済学色が強い感じ。脱炭素経済を念頭にしたり、日本がいかに立ち遅れているかの諸外国の比較とかも。ただ、『無形資産』で指摘されていた、各国の雇用法規と無形資産投資額の相関に本書ではついて触れられていなかった。解雇が難しい国では無形資産投資も低い。なぜなら結局新しいツールは新しい組織形態でしか機能しないからだ…という。その点で本書は片手落ちというか。あと脱炭素と経済成長は両立するの章は不誠実だった。2020/05/28

M

5
内容自体は2015年時点から執筆予定という事情もあり、2020年の現在では特段の新規さは無いが、当たり前のことを確かなデータに裏付けられた一貫した論理で説明されていて、全体像の把握として良い論考となっている。本著にあるように、脱物質主義的価値観の傾向は世界価値観調査などからも伺えるが、結局「非物質主義」的価値観とは何なのか?、その潮流の過去の歴史的位置付けを検討したり、その移行の詳細な過程については少し物足らなかったが、リベラル層の無宗教化が世代を経て、その反動に伴う美学の変化が主要因の1つにありそうだ。2020/10/29

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