内容説明
インテリジェンスを中心とした「情報戦」を制した国によって、世界は動かされている──。米国やロシアなど大国の情報機関は、これまでどのような暗闘を繰り広げてきたのか。長年にわたる取材成果をもとに、世界各地で暗躍するスパイの実像に迫る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Emkay
12
冷戦期に始まり、ソ連崩壊、プーチン政権誕生、ウクライナ侵攻と継続に至るまで、40年以上に渡る米ソ/露間の見え隠れするスパイ合戦の真相を、大局的な両国関係と絡めながら炙り出す。入手可能な公の資料、報道、回顧録から記述を拾うだけでここまでの血塗られた実態が露になるという事実と、現実に著者がスパイと接する際の臨場感のある描写の両方に驚いた。スパイの存在は世界史の一つの重要なピースであると言えるのだろう。プーチンのようなスパイ的視点・経験が一般市民の運命にまで与えうる影響の大きさにやるせなさを感じた。2025/03/12
とり
3
1980年代から現在までのソ連/ロシアおよび対ソ連/ロシアのスパイ活動についてまとめている。情報源はすでに公開されているものばかりで、それらを丹念に集めて分析するとここまでわかるのか、という点が一番の驚き。トランプ再選後の言動について、イマイチ理解できなかったが、本書を読んでかなりスッキリした。トランプとロシアの関係や大統領選におけるロシアの関与について噂レベルでは知っていたが、その具体的な内容に踏み込んだ記述も本書にはある。2025/05/08
チェアー
2
米ソスパイ合戦のまとめ。そこにロシアがウクライナ侵略に至る動機が隠れているのではないかという話が主眼だった。 2025/06/27
Mistral_K
2
本書は、歴史を動かした名スパイたちの実像と秘話を、緻密な取材で明らかにするノンフィクションである。冷戦期や現代の影の諜報戦を、具体的エピソードを通じて再現。世界の裏側を知るうえで必読の一冊である。2025/06/11
みんな本や雑誌が大好き!?
2
圧巻なのはレーガン時代の「スパイ」です。当時、ソ連が自由世界の進んだ科学技術(工作機械、半導体技術など)を盗み、利用していたのですが、ソ連が盗もうとしているそうした製品などに「手直し」(手心?)を加えて、あえて流出させたのです。 「重要なのは、製品がソ連に到着した時は『純正』の製品と見せかけるが、後になって故障する仕掛けを施す」 「いずれの製品やソフトウエアも、当初は正常に機能するが、しばらくすると故障する仕掛けになっている」 そして見事にパイプラインは爆発し大打撃を与えたとか。ドロボーはいけませんね。2025/05/21