内容説明
謎が謎を呼ぶノンストップサスペンス
東京都武蔵野市で住宅一棟が焼ける火災が発生。
焼け跡からは、その家に住む志村潔(69)とその息子夫婦と見られる
男女三人の遺体が見つかる。単なる住宅火災に見えたが、
夫婦と見られる遺体の死因は焼死ではなく、
刺されたことによる失血死であった。
しかも現場からは、この夫婦の子供と見られる小学生が消えていた。
さらには、志村の経歴をたどると、“息子”がいた形跡がない。
一体この火事で死んでいたのは何者だったのか?
警察が捜査をに乗り出すのと軌を一にして、
地下組織『I』の作業員の樋口にもある指令が下される。
不可解な火災、血の繋がりのない“家族”、消えた子供の行方……
エンタテインメントを追求した、究極のノンストップサスペンス。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
222
伊岡 瞬、4作目です。 本書は、著者デビュー20周年記念作品、謎が謎を呼ぶノンストップサスペンスということで、期待して読みましたが・・・ https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639194472025/03/10
パトラッシュ
194
エンタメにおけるアクションと背景描写の配分は悩ましい問題だが、本作は残念ながら失敗している。何よりの欠点は多数が殺される大事件の根本が、程度の低いワルの暴走とする設定のお粗末さ。宮部みゆき『火車』を思わせるシリアスな導入部から一転して、極秘の犯罪請負組織の衝突という漫画ゴラク風のドタバタ劇の連続でシラケてしまう。巨悪であるはずの政界フィクサーや国会議員も部下に裏切られ、勝手に動かれて失敗を重ねる。著者が64歳のためかアナクロな犯罪ばかりで、最新技術はカケラも描かれない。令和の世に昭和のドラマは似合わない。2025/03/11
いつでも母さん
133
謎が謎を呼ぶノンストップサスペンスと帯にある。始まりから不穏。確かに謎ばかり・・正直「えー?これ伊岡さん?」なのだ(ごめんね)フィクサーと与党幹事長の対決や内通者の件はあるかもと思うものの(思うのかい)『組合』だの『I』だの半グレだの・・流れに乗れずの読書になってしまった次第。全編通して追跡ではあったけれど・・ん~ん。2025/03/18
hiace9000
121
巧みに張り巡らした伏線の陰から現れる、敵・味方、それすらもわからぬ追手の追跡をいかに躱し目的を遂げられるか―。そのスリルを堪能できるネットフリックス・スパイ・アクション映画的作品。大元を辿れば、政界を牛耳ろうとし暗躍するどうしょうもないクズ同士の欲と面子の戦いなのだが、そこはさておき、気の利いた巻頭の人物相関図を何度も見返しつつ、追いつ追われつの知能&情報&肉弾の戦いに手に汗に握る読書時間になるでしょう。ちなみに真っ当な人間は、刑事・敷島36歳独身176cmただ一人。未読の『冷たい檻』も読まなくちゃ。2025/06/03
ma-bo
101
住宅火災が発生。焼け跡から住民の69歳の男性と息子夫婦とみられる三人の焼死体が発見される。夫婦の死因は焼死ではなく刺された事による失血死。しかも69歳の男性には息子がいた形跡はなく、息子夫婦の子供と見られる小学生が消えていた。不可解な火災、血の繋がりのない〝家族〟、消えた子供の行方。そこに絡んでくる大物フィクサー、裏の組織、警察。見開きに相関図があり、プロット的には面白いはずなんだけど、混乱して(私の理解不足⁉)流れについていくのに疲れた作品だった。2025/07/13