内容説明
日本〈固有〉の民族宗教といわれる神道はどのように生まれ、その思想はいかに形成されたか。
明治維新による神仏分離・廃仏毀釈以前、日本は千年以上にわたる神仏習合の時代だった。
本書は両部・伊勢神道を生みだした中世を中心に、古代から近世にいたる過程を丹念にたどる。
近代の再編以前の神をめぐる信仰と、仏教などとの交流から浮かび上がる新しい神道の姿とは。
補論「神道と天皇」を収録し、新たに補注を加えた増補版。
序 章 「神道」の近代
第一章 神と仏
1日本の神
2神と仏との出会い
3神仏習合の発生
4本地垂迹説の形成
第二章 中世神道の展開
1中世神道説の濫觴
2中世神道説の形成と展開
3鎌倉仏教と中世神道
4神観念の中世的変容
第三章 新しき神々
1人神信仰と御霊信仰
2人神信仰の展開
3渡来神と習合神
4女神信仰の展開
第四章 国土観と神話
1国土観の変遷
2中世神話と中世日本紀
3中世神話の諸相
第五章 近世神道へ
1吉田神道
2天道思想とキリスト教
3近世神道の諸相
4国学への道
終 章 「神道」の成立
補 論 神道と天皇
補注
あとがき
増補版 あとがき
参考文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まちゃ
54
神社の雰囲気が好きで、よくお参りしますが、神道が何かと問われるとよく分からないので手に取りました。神道とは、神祇信仰と仏教との交流のなかで、後天的に作り出された宗教である、というのが筆者の主張。中世から近世へと変貌した神道の姿が詳細に論じられていた。神道も時代により、その姿を変えてきたことは理解できました。2026/05/30
HANA
51
主に古代から近世にかけての神道の歴史を追った一冊。サブタイトルに「神と仏の日本史」とあるように神道自体ではなく主に仏教との関係が記述された部分が多い。整備された教義を持つ仏教に対して、いかに妥協対立し協議を整えざるを得なかったという印象が残るなあ。神仏習合とか国学とかその最たるものだし。特に興味深く読めたのは補論の「神道と天皇」の部分。今でこそ天皇は神道の主宰者、不即不離の関係にあると考えていたのだが、実際は両者の関係は近世に至るまで深くなかったというのは目から鱗であった。文化史的にも面白く読めました。2026/05/28
ヒデキ
34
正直な感想としてより判らなくなりました。 神道の歴史的な流れは判るのですが、個人的には、 神道の教えが元々どんなんで仏教の推しえとどうやって融合していろいろんな神様の存在をごっちゃにして「神道」になってたのか・・・ まず、宗教なのになんで「神道」って道になってるのかな?2025/03/23
Toska
25
神道というと、「自然に形作られた」「穏やかな」宗教であり、いつでも日本人に寄り添ってきたものと受け止められがちなのだが、なかなかどうして。寧ろ、仏教やキリスト教以上に人工的な存在かもしれない。いまだ教理教説が体系化されないプリミティヴな状態で仏教の直撃を受け、その絢爛たる世界観に引きずり込まれながらも、何とかそこから這い出し日本の独自性を確保しようとした人々の果てなき苦闘。読めば「ゆるふわな自然宗教」的誤解が払拭されることは請け合いの硬派な神道史である。2026/02/21
ピンガペンギン
25
上代から「神道」が存在していたのではなく、中世、あるいは近世に起こったと見なせるという立場。「神道」というと漠然と昔から同じように続いてきたものと思いそうだが、そうではない。著者の専門が中世の神道なので、中世神話も紹介されているが、これがあまり面白くなく、神話にも魅力のあるなしがある。12世紀ごろ神社信仰は氏族単位、地域単位でするものであり、個人の願望は受付けない(P77)、とあり、そのため良い来世への願望から、伊勢神宮の禰宜らが写経を埋めたりしていたものが出土した。全体的に一般向けにしては内容は詳しく→2025/03/24




