内容説明
理性の力がひろげる〈利他の輪〉
倫理とはなにか? 謎を解く鍵はダーウィン進化論にある。家族や友人への思いやりは、やがて見知らぬ他人へ、さらに動物へと向かう──利他性が生物学的な起源を超えて普遍的な倫理へと拡張していくプロセスを鮮やかに描きだす進化倫理学の古典的名著。初版刊行後30年間の研究成果を踏まえた後記を付した決定版。
【目次】
二〇一一年版へのまえがき
まえがき
第一章 利他性の起源
第二章 倫理の生物学的基盤
第三章 進化から倫理へ?
第四章 理性
第五章 理性と遺伝子
第六章 倫理の新しい理解
引用文献に関する注
二〇一一年版へのあとがき
訳者解説
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月をみるもの
18
「記述的な言明(「~である」)からは、規範的な言明(「~すべき」)は導き出せない」というヒュームの法則が正しいなら、ウィルソンの言うように「倫理を生物学に還元する」ことなどできるはずがない。しかし、じつは進化論そのものが、同じように裏口から規範を導入してるような気がするんだよな。。 → 続く https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%872025/04/08
ダージリン
4
ピーター・シンガーの名前だけは聞いたことがあったので、著作を読んでみることに。利他性や倫理、道徳に関する論考。巻末の訳者による解説が理解を助けてくれる。あまり読み慣れていない分野だが、考えさせられることが多くあった。面白そうな分野なので、いずれもう少し勉強してみようかと思う。2025/04/27
Myrmidon
3
『動物の解放』など、功利主義の擁護者として世界的に高名な倫理学者・哲学者であるピーター・シンガーの「進化生物学」と関連した「進化倫理学」に関する本の翻訳。原書は約40年前の書籍の新版(2011年刊)だそうで、「進化生物学」に真摯に向き合った倫理学の最初期の文献であり、この分野に興味のある学生・研究者などには重要な翻訳だと思う。が、残念ながら自分のようなアマチュアから見ると、現代からすると自明の内容も多く、得るものは少なかった。本書の前半は「進化生物学」がどのようなもので、倫理学的にも重要である一方で、それ2025/03/05
y
1
進化倫理学って何だろうと思って読みましたが、私にとってはあたりまえと思えることをダラダラ(ごめんなさい)綴っている印象でした。 トローリー問題とか決めつけ感満載だし、書籍出すくらいの良識人なら無人島行く前に歯が痛くても歯医者に行かないって相応の理由あるでしょって思ったので、著者とは考え方が違うのかなーと思いました。 進化心理学の本が面白かったので進化倫理学という本書にも期待したのですが、ちょっと違ったようです。2025/05/07
素朴実在論くん
0
加筆部を除き,古いだけあって現代から見ると議論がちょっと……な箇所が多数.あとがきに書いてあるが,著者本人も認める通り,当初の企みもやや苦しいと見るのが妥当かと.しかし,E.O.ウィルソンの社会生物学に素早く応答し,現代の進化倫理学へつながる議論の基盤の一部を形成した重要な書籍であることは間違いない.いきなり読むには問題があるが,進化倫理学を考えるならいずれは読みたい,そんな一冊.2025/08/06
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