内容説明
ホラー漫画の第一人者にして『漂流教室』『まことちゃん』『わたしは真悟』など漫画史に輝く名作の数々を遺した天才が、自身の半生と創作秘話とともに、「恐怖」とは何かについて初めて語った貴重な記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
こばまり
51
初版は1988年刊行。『わたしは真吾』に至る源泉が分かったような分からないような。そうか『漂流教室』の10年後に描いたのか。生い立ち含めインタビューは今読んでも面白い。解説で椹木野衣氏が述べているように「恐怖の思想/芸術家」というカテゴライズがぴったりくる。2025/04/12
TSUBASA
16
恐怖漫画のレジェンドが漫画を描くに至った経緯や、その恐怖の源泉について語る。世間じゃ『まことちゃん』のイメージが強めかもしれないけど逆に読んだことないのよな。昔、母の本棚にあった『のろいの館』(原題は『赤んぼ少女』)が怖くて仕方なかったなぁ。あと、『ウルトラマン』も恐怖色が強くて驚きだったのを思い出す。改めて作風を見ると普通には出せない恐ろしさ悍ましさを湛えているのがよくわかる。その根本にあるのは理屈ではない根源的恐怖を描かんとするところ。感覚的なところに愚直に向き合って見出された世界という感じがした。2025/05/12
Janjelijohn
10
昨年惜しくも逝去された楳図さんのルーツをたどる本であり、世界観を感じられる本。僕も「洗礼」や「神の左手悪魔の右手」で土肝を抜かれた読者だったので思わず手に取った。この本を読むと楳図さんは漫画家というより、芸術家であるとよくわかる。 特に文中で印象的だったのは「人間が細胞が集合して形づくられているのは、無数の小さな虫が集まっているのと似ている」という言葉。物の捉え方が独特だから作品も独特なのだと改めてわかった。2025/02/16
きょん
5
私の恐怖のトラウマの元祖、楳図かずお氏の作品論や生い立ちなど。恐怖漫画の作者は子供のころに何かしら恐怖にかかる原体験をしていることが多いが、楳図先生はそのような体験もなく、恐怖漫画をやりたかったからやった、という経歴。それであれだけのトラウマ級の作品を描けるのは天才的。そしてテーマの掘り下げ方も感心する。絵も綺麗で実にきちんと書き込んでいるんだよな、、、恐さのあまり子供のころはちゃんと見れなかったけど。これだけの漫画家はもう出てこない、断言できる。ご冥福をお祈りします。ずっと大好きです。グワシ!2025/03/12
まぬー
5
最近「わたしは楳図かずお」が出版されたので著者唯一の活字本では無くなったけど、大ファンとしては読み逃せない一冊。育った家庭環境から作品の創作秘話まで色々興味深い内容で初めて知る事も多かったけど、やっぱりホラー漫画家になる為に生まれて来た人なんだなと思わせられました。2025/03/12




