ハルキ文庫<br> あなたに電話

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ハルキ文庫
あなたに電話

  • 著者名:森瑤子【著者】
  • 価格 ¥858(本体¥780)
  • 角川春樹事務所(2025/02発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784758446969

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内容説明

大学生・勇との駆け落ちを計画する主婦の史子(ルビ:ふみこ)。当日取りやめる場合のみ、電話をすると約束していた。緊張しながら荷造りを進める史子だが……。(「6:30 PM成田発」)「もう会いたくない、電話もしないで」と自ら告げて別れたにもかかわらず、元恋人からの電話を待ち続けている潮子(ルビ:しおこ)。留守電を気にしながら職場へ向かうと、仕事仲間の織田から食事に誘われ……(「Never Call Me Again」)。あのとき電話に出ていれば、変わったはずの二人の運命。電話をテーマに様々な恋のシーンを描く、珠玉の短編集が復活しました。(解説・唯川恵)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あやっぴ

23
まだスマホのない時代。当時付き合ってた人からいつもの時間に電話がないと、何も手につかずソワソワしてたことを思い出した。短編であるこの作品にもそんな場面が出てくるが、そこから生じてしまう男と女のすれ違いにはすごく共感した。どの話もちょっと大人な恋愛関係が描かれてたけど、男の人が若干威張ってるイメージ。時代でしょうかね。でも楽しく読めた。2025/04/13

Ruco

1
「電話」がテーマとなっており、ピリッとした空気を孕んだ短編集。とにかく粋。登場する女性達が魅力的で引き込まれる。30年以上前の作品だとは思えないほど洒落た世界観。レトロとモダン。現代には"無い"モノと、"在る"、変わらない恋模様の対比が小気味よい。2025/06/13

emtb

1
まだ携帯電話が一般的ではなかった頃の話。固定電話だからこその不便さと切なさがある。89年刊行なので36年前か。平成になったばかりで昭和の価値観がバリバリ残っている。チョンガーとか、女の営業はいないよ、女からは言えないわ、みたいなセリフ。デートはレストランなんて、いかにもバブリー。今とは違う男女間のやりとりも面白い。子供の頃に再放送で観たトレンディドラマっぽいオシャレな話ばかりでわくわくした。実際にあの時代の恋愛はどんな感じだったんだろうか。みんな大人だから親に取り次がれて恥ずかしいとかそういうのはない。2025/05/28

し~ちゃん

1
図書館の新刊コーナーで目にして、あまりにも懐かしくてつい手にした一冊。表紙をめくると森さんのお写真が。逝去が1993年との記載があり、私が読みまくっていた頃には亡くなっていたとは知らなかった。 若い頃の恋愛ってこんなだったなと思い深く読んだ。危険な情事は映画を思い出しながら読み、本当に懐かしかった。2025/03/10

かすみ

0
女一人でやっていくことへの不安や恐れがこんなにも強い時があった、"あった"というのはつまりもう過去のことなので安心している。同性はライバル、まるで芸能界にでもいるかのようだけど、可笑しくて可哀想。/電話を待っていた経験はないけど、ツールが変わっただけで、メールのセンター問い合わせもLINEの既読つくのつかないのも(既読つけずに読むのも)同じこと。電話の方が"すれ違い"には便利なので、恋人たちのてんやわんやが発生しやすいのかも。男も女もやきもきしていて面白かった。「曇りのち雨」「日曜日の孤独」が好き。2025/07/05

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