内容説明
妻の一方的な嫉妬に悩まされる画家の矢沢辰生は、妻に仕事も金も管理され、さらにはあらぬ浮気の疑いをかけられ酷く責められる日々に身も心も限界を迎えていた。そんな中、彼は1冊の小説「死せるパスカル」に出会う。自分を死んだことにしてでも自由を求める主人公に深く共感した矢沢は、妻による無理心中を装った完全犯罪を画策するが……。歪んだ夫婦の心理に鋭くメスを入れる傑作サスペンス。表題作の他、「六畳の生涯」を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
かすみ
10
二編とも、途中までは冗長でしたが、最後の急展開が面白かったです。2025/11/29
アメヲトコ
6
1971年単行本刊、74年文庫化、2025年2月改版。「生けるパスカル」「六畳の生涯」の中篇二作を収録。前者はイタリアの小説「死せるパスカル」のもじりで、死の偽装がテーマ。妻の悋気に追い詰められる主人公がという展開ですが、主人公の行状がアレ過ぎていまいち共感できず。後者は老いらくの恋の話かと思わせていて終盤の急展開、こちらの方が面白かった。2025/03/22
ジニー
5
★★★☆☆2025/06/30
パチーノ
2
表題作『生けるパスカル』と『六畳の生涯』の中編2編を収録した作品集。両作品共によく出来た佳作で面白い。描かれる人間模様は近しいものがあるがやや違う。ルイジ・ピランデルロと老人の悲恋。どちらも今の日常から逃避したいが出来ない境遇にある。そこを上手く突いた作品でミステリーっぽくない描写が続きながらも後半はミステリーを帯びる。これはまた年月が経ったら読み直したい。2025/05/04
Kunihiro Tobita
1
なんともまぁ近しい存在を疎ましく思うってのは世の常で…。欺いて欺きあって気付いて気付かないふりで…老いらくの所業も当人には意に関せずなわけで。嗜められてるのを、まんまと真に受けちゃう自惚れなのよ。鏡見なくちゃだわね。動画観とけよ。だわよ。用意周到、万象繰り合わせの末の行いにも僅かな穴は空いてるのだよ。趣味嗜好が健全な君子が望ましくも羨ましくも。“英雄色を好む”の通り。生物学的には此方が健全よ。生活とは…ってことか。面白きこともなき世を面白く生きるにはなぁ。人生一度きりよ。範囲内破天荒。あと僅かな時間を。2026/02/07




