内容説明
南北朝時代、対等な立場で覇権を争った足利氏と新田氏。しかし鎌倉期の両者には、圧倒的な経済・政治的格差があった。力の差がありながら、なぜ対決に至ったのか。政治・抗争の過程と足利政権成立後の関係を追う。
目次
プロローグ 足利氏と新田氏の格差/格差のはじまり(頼朝挙兵の明暗/義兼と義重の思惑/御家人としての歩み)/広がる格差(義国流清和源氏の「足利一門」化/高氏・義貞登場前夜/鎌倉の足利氏、上野の新田氏)/連携から対決へ(打倒、鎌倉幕府/建武政権での日々/死闘のはじまり)/足利氏の時代へ(新田氏の苦闘/足利本宗家の源氏嫡流化への道のり/決着のとき)/エピローグ 対決の果てに/略年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
MUNEKAZ
19
宿命のライバルのように思われる足利氏と新田氏。しかし鎌倉幕府内での差は歴然としており、新田氏が足利氏の傘下に入るような状況であったとする。全てが変わるのは建武の新政期。鎌倉陥落の戦功と足利氏への対抗馬として、あれよあれよという間に新田氏の地位は上がり、全面対決へと至る。「足利vs新田」という構図がいかにして作られたか。そしてそれが後世の源氏観にどのような影響を与えたかがわかる一冊。他にも不安定な当主交代が続いたことが、足利氏の家政機関の整備に繋がり、引いては幕府設立の布石にもなったというのも興味深かった。2022/01/15
フランソワーズ
6
宿命のライバルのように語られる足利氏と新田氏。でも史実では尊氏が建武政権から離反した後のこと。それまでは鎌倉時代を通じて、新田氏は足利氏の膝下のような存在だった。その両氏が共に歩んできた歴史に触れながら、時々の盛衰をそれぞれ論述。中でも興味深かったのが、両氏の家政、そして被官構成から導かれる鎌倉幕府倒幕後の姿でした。2023/03/21
吃逆堂
3
逆転し逆転され、包摂されて台頭したすえに対決、という両氏の関係が丁寧に描かれていてわかりやすい。「義兼」については毎度名字を付してほしいと思いつつ、うまいこと書き分けていて戸惑うことはなかった。2022/01/14
ふみりな
1
鎌倉幕府において足利氏の家格がこれほど高いとは知らなかった。北条一門が尊氏の寝返りに驚いたのも納得できる。中世の武家の家、家系に対する拘りは興味深い。2025/04/09
娑婆乃呼吸
1
足利氏と新田氏、かつては源氏の嫡流としてのライバルと言われていたが近年は新田氏は足利一門として認識されていたことが明らかになっています。 谷口雄太さんの『〈武家の王〉足利氏』(個人的に一番グッときた中世史本)やYouTubeにて右京大夫政元さん、太田うしいちさんの動画を見ていたので内容が割と入ってきました。 とにかく新田氏の悲運感…。 田中大喜先生は「すなわち」という接続詞を内容の要約・換言ではなく、具体化される文脈で使われており、ちょっともぞもぞしました。。
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