内容説明
幼い頃に「自分の死」のイメージに思い至ってより、「生きていること」の不思議さや儚さに思い巡らせてきた著者が、思考の世界と現実的な生活との折り合いをつけてゆく試行錯誤の記録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
103
お金、地位、名声など他者からの評価に依存せず、自己で完結する生活を実践する(ただし合法的かつ肉体が維持できる程度に)。分かる、分かるぞ!その気持ち。一方で、誰からも強制されることなく自分の気持ちに従って「小屋で暮らす」のは、オリンピックで金メダルをとるより難しい気がする…。2016/02/21
テツ
34
賢すぎて賢すぎて(嫌味でもなんでもなく)世界のニセモノさと不純さに耐えられない著者。それを突き詰めてしまったのならこうやって存在するしかないんだろうな。他者との関係が紡ぎ出す歓びすらきっと彼の思考の果てでは薄汚い色を帯びてしまう。なら他者との関係自体を極力作らないように生きていくしかないんだ。こんな生き方を若者全てが目指すべきだとは微塵も思わないけれど、ひたすら己と向き合い生涯終わることのない思考を積み重ね、自分だけの哲学を研鑽し戦い続ける姿は美しい。2019/02/05
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
27
なんで死ぬのがそんなに怖いのかな?猛烈な自我のせい?(°_°)著者の根本的なところからよくわからなかったです。2016/10/09
静
23
こういう生き方もあるのか、と驚きの連続でした。とても面白かったです。2018/11/10
さっちゃん
15
このようにしか生きられない、というのが凄い。生きていくには妥協はつきもの、他人と顔突き合わせ嫌なことにも目や耳を塞いでそれでも何とか自分の矜持を保ちながら…というのとは全く違う、自分ありき、という生き方。さぞ生きにくくて、でも圧倒的に幸せなのだろう。子供の頃に気づいた死という現象。自分が無くなる恐怖は気づいてからずっと自分の隣にある。ふと横を見ると底知れぬ穴が空いていて恐ろしくて身がすくむ。それでもほとんどの時間は忘れていられる。著者は常にその穴の上に浮かんでいるのかもしれないと思うと大変だろう。2016/07/10