内容説明
浪人の奥津慶四郎は、郡上領で年貢算定法が変更され、領民が重税に苦しむさまを知る。村を代表する惣次郎を慶四郎は助け、領主の金森頼錦の非道を江戸に訴えるが、頼錦はさらなる圧政で人々を苦しめる。慶四郎は惣次郎が命を賭してとる最後の手段を見届け……
朝日時代小説大賞と小説野性時代新人賞を受賞した実力派が描く渾身の歴史時代小説!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
29
平岩 弓枝さんの「魚の棲む城 田沼意次の大いなる夢 」で宝暦郡上一揆のことを知り、こちらを題材の本書にテレポート。本格的歴史小説を期待だったのだが、期待を裏切るエンタメ仕立てで、活劇場面や美食シーンは没入出来ずに飛ばし読み。ちょっといやかなりの残念選書。 2026/01/14
みなみ
10
大変良かった。主人公の奥津慶四郎が虚無っぽく、もちろん理由があるのだろうと想像は付くが、とっつきにくい。一揆そのものは為政者の支配が苛烈で読んでいて本当に辛い。序盤から煮詰まった状況を打開したと感じるのが医者で文書書きの良仙の登場だった。カラッと明るく人情味あふれた性格は作品に明るさをもたら。訴訟文文章を書くという役割から状況説明にうってつけだ。良仙との関わりから慶四郎の人格の本質も見えてくる。クライマックスでは時代小説っぽいバトルシーンも出てきておもしろい。歴史小説と時代小説の融合がとても良い。 2025/05/22
はる
8
江戸時代に発祥したという郡上おどりの幾つかの素朴な歌を挟み込みながら展開される郡上一揆の顛末物語。この一揆は600石旗本からの成り上がり老中意次が神君家康からの譜代大名を一刀両断にし、田沼派の力を盤石なものとした事件。一揆農民を牽く若い農民に助力する浪人、目安箱の訴状を書く公事師を自由に踊らせる、巧みな構成。身を持ち崩した隠密と浪人の立ち会いを長良川薩摩堤にも置き、宝暦の中部地方に起こった出来事全てを描いたような作品で読み応えがあった。2026/01/20
chuji
2
久喜市立中央図書館の本。2025年2月初版。書き下ろし。宝歴郡上一揆は、一揆首謀者農民に厳罰、領主金森頼錦ら幕府高官等は罷免された。将軍家重の意を受けて事件の解決に活躍した田沼意次はこれをきっかけに台頭して行く。諏訪さんの著作は二冊目の読了です。史実を元にしたもので、とても面白かった。2025/04/02
蝉、ミーン ミーン 眠ス
0
江戸幕府の体制の綻びが顕在化した事件を基にエンタメ時代劇的な要素も取り込んだ作品で王道の面白さがあった。2025/04/08
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