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内容説明
将来、南海トラフ巨大地震が日本を襲い、死者32万人など莫大な被害が出ることが予想されている。「地震後の日本社会が心配」と語る養老孟司が、地震と災害後の日本について識者と語る。発生時期の予測、日本人の被害や避難・疎開のシミュレーション、首都直下地震と連続して起きた場合の最悪ケース、津波や復興が変える自然環境……。日本人が行なうべき「備え」と復興後のビジョンを問う。 〈目次より〉第一章 2038年、南海トラフ地震が起こる 尾池和夫(京都大学名誉教授)×養老孟司 ●まず「地球を知る」ことが大切 ●活断層とは何か ●大地震が歴史を変える etc. 第二章 被災のシミュレーションと復興ビジョン 廣井 悠(東京大学教授)×養老孟司 ●電話ボックス一つ分に六人が詰め込まれる――帰宅困難問題 ●震災疎開により都市への一極集中が進む ●お祭りをやっている地域は防災に強い? etc. 第三章 巨大地震後の日本経済 デービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長)×養老孟司 ●日本には「事前対応」という発想がない? ●最悪のシナリオ――日本は中国の属国になる? ●文化財の耐震工事を行なえばリスクが高まる? etc. 第四章 復興後、自然環境はどう変化するのか 永幡嘉之(自然写真家)×養老孟司 ●津波から二年後に起こった予想外の変化 ●復旧事業に「待った!」 ●南海トラフの復旧事業に東北の教訓は生かせるか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tetsu
14
★4 実家が九州の大分なので南海トラフ地震は他人ごとではない。2038年に起こると専門家の尾池和夫は予想する。 今(2025年)から13年後で年は80歳になっているがたぶんまだ生きている。地元の同級生の友達もたくさんいる。80歳で家を失うことになるとたぶん立ち直れない。 被害規模が大きいので被災地以外でも大きな影響が出る。日本がもつかという瀬戸際まで追い込まれるだろう。 政治家は未来を見据えた政策を考えてもらいたいものである。2025/03/08
coldsurgeon
10
養老孟司先生が、様々な分野の専門家と、南海トラフ震災後の社会について、語る。地震は自然災害であるが、震災は社会現象である。社会現象は、人の力で生まれ、また変わるものだと思う。災害に備え、減災を行うことは必要なことであるが、その先の震災後の社会のあり方を、発災前に考えていくという姿勢には共鳴できる。どのような未来を考え、計画し、準備することが、重要であろう。2025/03/16
templecity
9
南海トラフ地震が近々発生すると言われていて首都圏で被害が多くなると住宅確保など尋常ではなくなる。今は首都圏に人が集まってきている。地域の活性化が必要だが、一極集中が進むと少子化もあり中々元には戻れない。 2025/08/09
Gaudi
3
2038年に南海トラフ地震が起こり、しかも、複合震災を誘発して、東海でも首都直下でも地震が起こり、さらには富士山も噴火すると言ったら最悪のシナリオが現実化することだけは避けたいものです。 歴史、震災は繰り返す。いくらAIが進化しようとも。2025/05/06
さちめりー
3
養老先生は日々、南海トラフ地震後の日本を心配しておられる。4人の識者からその具体的な話を伺うという本。最悪のストーリーは中国の属国。尾池氏は神戸の地震も東日本の地震も予測していたのに国になかったことにされたと知って驚いた。原発廃炉などは理にかなった方法があるのに、短絡的な感情論や非合理的な政治事情に邪魔されてしまう。合理対感情。「誰も考えないし、誰も責任を取らない」日本人、という指摘、よくわかる。自分個人としては何ができるだろうかと考えさせられる。国の仕組みをつくっているえらい人たちにぜひ読んでほしい本。2025/04/17
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