創元文芸文庫<br> 駅と旅

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創元文芸文庫
駅と旅

  • ISBN:9784488803155

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内容説明

日々のなかで当たり前のように行き来する駅という場所は、なんでもない日も旅立ちの日も、変わらずそこで私たちを迎えてくれます。旅の始まりと終わりをいつも見届けてくれて、行く場所であり帰る場所となる、駅とは不思議な存在です。浜松、西宮、札幌、唐津、明洞、ポルト──六つの都市へ向かう列車で、あるいは辿り着いた先で、どのような景色が待っているでしょうか。新しい物語への切符は今、あなたの手のなかにあります。六人の作家、六つの駅が旅の非日常へと誘う、文庫オリジナル・アンソロジー。/【目次】砂村かいり「きみは湖」/朝倉宏景「そこに、私はいなかった。」/君嶋彼方「雪花の下」/松崎有理「東京駅、残すべし」/額賀澪「明洞発3時20分、僕は君に撃たれる」/鳥山まこと「辿る街の青い模様」

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

papapapapal

34
駅×旅をテーマにした6名の作家さんによるアンソロジー。テイストそれぞれ、サラッと読めてどれも面白く、旅のお供にぴったりな一冊。7年前の忘れ物を回収するため甲子園へ向かう『そこに、私はいなかった』(朝倉宏景さん)、突然家出した夫に会うため義姉と共に札幌へ向かう『雪花の下』(君嶋彼方さん)、芸能人の不倫の結末と週刊誌記者の2日間を描いた『明洞発3時20分、僕は君に撃たれる』(額賀澪さん)が好みかな。2025/05/16

minami

32
旅に出たくなるアンソロジー。最近推しの砂村作品に惹かれて読んでみる。6編のうち前半はシスターフッドの物語に応援したい気持ちが溢れ、結末もとても清々しかった。駅と旅のタイトルどおりにどちらも重要なアイテムで、私はどの物語も好みだった。旅に出て自分自身を振り返る。日常ではない場所で非日常を味わうのは新鮮な気持ちになる。頭の中にモヤモヤするものがあったとしても、それがちっぽけなものに感じることだってある。初読みの鳥山作品が好みだったので、他作品も読んでみたい。とにかく旅に出てリフレッシュしたくなる楽しい読後感。2025/07/13

Mark

31
旅好きの自分には、タイトルだけでぞくっとくる。ある書評で見かけて手に取った一冊。短編の寄せ集めで、内容は正直、玉石混交といったところ。 中でも、失踪した恋人を探して浜名湖の弁天島を訪れる話には引き込まれた。風景描写が巧みで、旅の途中でふと立ち止まるような感覚を味わえた。一方で、東京駅を舞台にした話は、どうにも興味が湧かず、途中で断念。 とはいえ、全体としては、旅への衝動や人の心の動きを描く試みとして、一定の味わいがあった。気分転換にさらっと読むには悪くない一冊。2025/07/29

わんつーろっく

21
旅とはいえない、たとえ観光旅行だとしても、駅はいい。見たい景色を五感で受け止めるワクワク感。お土産を詰め込んで会いたい人に会いに行く、それが別れの前触れだとしても・・駅で行き交う人々の、ふわふわした高揚感が好きだ。さて、ここで描かれる六つの短編。豪雨で停車したまま、目的地に辿り着けないもどかしさ、それが人生でたった一度の甲子園での応援だった彼女、マウンドの彼らのその後。「そこに、私はいなかった。」が私のお気に入り。始まりと終わりが交差する駅の物語。非日常を誘う旅のお供にいいかもね。2025/07/04

スイ

16
駅をテーマにしたアンソロジー。 松崎有理さんの「東京駅、残すべし」がとても好き! 東京に危機が迫った時に、東京駅が巨大ロボとなる…最高じゃないかー! もののけの正体がわかったところでは思わず涙。 今まででの読書で一番「そりゃ祟りますよ」と正体に納得したかもしれない、本当にごめんね…。 砂村かいりさんの「きみは湖」は、大好きな浜松の弁天島駅が中心になっていて嬉しかった! 単に彼の奔放な女友達に振り回される今カノ、で終わるとちょっと残念だなと思っていたのだけど、切符の真相で胸を殴られた気持ち。 良かった…!2025/05/18

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