内容説明
昭和36年のテレビ草創期、中央放送協会(CHK)でプロデューサーとなった大杉日出夫の計らいで、ミュージカル仕立て、生放送のミステリドラマの脚本を手がけることになった風早勝利。四苦八苦しながら脚本を完成させ、ようやく迎えた本番。アクシデントを乗り切り、さあフィナーレという最中に主演女優が刺殺体となって発見された。現場は衆人環視下の放送中のスタジオ。駆け出しミステリ作家・風早と那珂一兵が、テレビ局内の殺人事件の謎解きに挑む。『深夜の博覧会』『たかが殺人じゃないか』に続く、“昭和ミステリ”シリーズ完結篇。/解説=小山正
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
森オサム
33
昭和ミステリシリーズ三作目。一作目、二作目は青春ミステリで有ったが、本作はお仕事ミステリ?でした。ドラマも生放送でやっていた時代のテレビ業界、芸能界が舞台で、とにかくそれを書き残したい、と言うのが主眼であるのは読めば明らかです。馬鹿みたいな話!、このタイトルがどこに掛かっているのか最後に分かりますが、そこなん?、としか言いようが無い(笑)。ミステリとしては、トリック、動機、犯人…、何か言うのは野暮でしょう。一作目から24年の年を経た登場人物たちに寄り添い、粋に見送りましょう。辻真先ファンブックです。良き。2025/08/12
Shun
29
「深夜の博覧会」、「たかが殺人じゃないか」に続く昭和ミステリシリーズの完結編。それぞれ昭和12年、24年、そして36年の出来事を絡めたミステリシリーズとして日本の経済発展も垣間見える興味深い小説。そして今作では日本のテレビ放送の黎明期とも言える現場の空気が表現されている点が特徴的で、ミステリ小説というより時代小説のように読めました。また実在した人物、そして歌謡曲やテレビ番組の名も出てきているようなのですが私がその辺りの知識がない為、最大限に愉しめないのは残念でした。テレビ文化に詳しい読者は愉しめそうです。2025/04/29
coldsurgeon
12
90歳代のミステリー作家が綴る、昭和36年の公営テレビ放送局を舞台とした殺人事件が主軸だ。当時のほとんど生放送ばかりのテレビ局の舞台裏、当時の世相、当時の芸能人が描かれ、6歳だった自分の記憶とすり合わせながら、楽しく読むことができた。この昭和三部作は、それぞれに面白く、次回作は期待できるのだろかと、考える。2025/05/23
nagoyan
12
優。辻真先の、昭和三部作の最終巻。舞台は、昭和36年、テレビ放送黎明期のCHK(NHK)。ミステリーそのものは、勿論、物語を推進していく推進力なのだが、その、テレビ黎明期の関係者達の情熱溢れる姿こそが、この物語を読むべきものにしている。本作は、その意味で、辻の個人史が色濃く滲み出た逸品と言うべきだろう。2025/05/03
フレディー
3
ミステリとして面白いのは勿論のこと、当事者だった著者だからこそ書けるこの時代のテレビ局を取り巻く雰囲気、熱気、熱い想いなどがとても読みごたえがあり面白かった。2025/05/31
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