内容説明
僕は、変わる。
もう一度、妻に会いに行く。
1,200kmの過酷な旅路を輝かせる、勇気と優しさの物語。
還暦を過ぎ、突如ひとり身に。
途方に暮れる男は、一念発起しフランスへ飛ぶ。
8,000人が集う、伝説の自転車イベントに参加するためだ。
完走すれば、平凡な自分も胸を張れる――。
家族の再生をかけた戦いが始まった!
〈あらすじ〉
「好きな人ができた」。
その一言で、穏やかな日々はひっくり返った。
妻に捨てられ呆然とする進は、自転車イベント〈ブルベ〉に出会う。
勝ち負けは存在しない。目指すのは、制限時間内の完走だけ。
ままならない現実から目を逸らし、無我夢中でペダルを漕ぎ続けるうち、進は決意する。
「僕は、弱い自分を変えたい」
世界中の自転車乗りが憧れる大イベント〈パリ・ブレスト・パリ〉で1,200kmを走り切り、これまでの自分と決別する。
そして、妻に会いに行く――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たま
74
この作家さん初読み。外国にいる日本人をどう描くかに興味があり読んだ。60代?の日本人男性(進)が、パリ―ブレスト-パリ1200キロを制限時間内で走る自転車レースに参加する。走行中の彼の煩悶(妻との関係)が詳しく書かれるがこれには全然興味を持てなかった。おっちゃん、勝手にして。一方、自転車で走り抜ける自然と街、走行中に出会い助け合いまた別れいく参加者たち、地元のヴォランティア、彼らが供するスナック、それらの描写は、身体を動かしながら人と出会うことの喜びが伝わってきて、とても楽しく読んだ。2025/05/26
シャコタンブルー
60
新たなる自転車ロードノベルの秀作誕生。あの空の向こうにあの丘の果てにあの山を下れば・・見たことのない景色と夢と希望を載せて1200キロのブルぺは精神と肉体の限界に挑戦の四日間でもあった。進は65歳になり「弱い自分を変えたい」と挑むが、過酷な気温、坂道、不眠、制限時間等の様々な障害が臨場感を伴い迫ってくる。時に集団となり一人になり走行する姿は人生の縮図そのものだ。何でも抱え込み一人悩み苦しんでいたが、人の優しさ温かさに触れて覚醒していく姿は清々しい。久しぶりに自転車旅をしたくなった。2025/03/29
えんちゃん
57
65歳の初老男性がパリの自転車レースPBPに挑む物語。制限時間90時間・移動距離1200kmですって!奥さんに出ていかれた専業主夫は自信を取り戻せるのか。限界まで頑張ること、乗り越えること、仲間と走る楽しさ。とても良く伝わり胸アツです。でも正直こんな過酷なレースをこの男性がほんとに走れるのか。チラチラ疑問に思って集中出来なかった。獲得標高12000m!富士山(富士宮R)を8.6回分…。ちなみに『アレ!アレ!』は『GO!GO!』の意味。2025/06/17
coolgang1957
53
フランスにはメドックなどのワイン飲みながらするマラソンとか、このPBPパリ・ブレスト・パリみたいな耐久イベントがあって、美味しいもの食べられて、親切にしてもらえて、めっちゃ楽しそうです。体は辛そうやけど心も癒されて良いですね。ボクはというと、自転車は4、5年前こけて前歯折って気絶して救急車乗せられて😂から乗ってませんので羨ましさ満載の読書でした。いろんな人に助けられ助けて〝お互い様〟の文化は世界中にあります。2025/05/08
ケディーボーイ
34
パリブレストパリ。自転車で1200キロを90時間で走りきる。アスリートも参加するがほとんどが一般人で順位よりも走り抜く事そのものが大事な世界最古のブルベイベント。老若男女、様々な国籍の人々がそれぞれの目標を掲げてペダルを踏み続ける。 そんなイベントに出場する65歳の進。長年妻を支える主夫として生きていたがその妻に捨てられ自分の人生を見つめ直す。 自転車好きのみならず、読後、なにかを始めてみようと思わせてくれる作品。多様な人々との交流。それが一瞬のものであったとしても自分を形作っていく様に胸を打たれた。2025/03/25
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