内容説明
時は戦国時代中期、東国では武田、上杉、北条が、畿内では織田信長が、領国支配を広げていた。自らの死期が近いことを悟った信玄は、自身の死後も武田家を安泰とするために、甲斐国を出陣し、徳川領への侵攻を開始する。それを察知した家康も、同盟を結ぶ信長に援軍を要請しつつ、戦国最強の武田軍団と戦うことを決する。西へ西へと着実に歩を進める信玄だったが、残された時間はあまりに短く、やがて息子の勝頼や重臣たちにも明かさない、ある決断をするのだった――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
201
信玄がもう少し長生きしていたら、戦国史は変わっていたと思わせます。それほど、この信玄は戦術に長け、武田軍は戦上手。信玄·家康視線から三方原合戦までの過程が描かれ、信玄の野望が見えてきます。「賢者は理屈で考え、愚者は感情で考える」など信玄による戦術書·人生訓みたいでもあります。2025/05/04
starbro
160
伊東 潤は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 黒澤 明の影武者の世界、著者の武田三部作のラストは、三方原合戦でした。 https://www.kadokawa.co.jp/product/322311000885/2025/03/19
パトラッシュ
137
家康の生涯最大の危地であり信玄最後のいくさである三方原合戦を、発端から終りまで圧倒的な迫力で描き出す。従来は省略されてきた外交や諜報戦、徳川と武田双方の内部対立に地形や地勢を利用した駆け引きまで、目の前で演じられる芝居を息を吞んで観ているようだ。自分に自信があった信玄が病と後継者勝頼への不安から焦りを生み、逆に自信のない家康は知恵を絞って負けないことに徹した戦いを続けていく。結果、信玄亡き後は地方大名としての未来を選んだ武田に対し、滅びを覚悟した徳川が何とか生き抜いた瞬間が決めた歴史の皮肉が痛切に迫った。2025/03/09
のぶ
92
家康と信玄が戦った、三方ヶ原の合戦を中心とした物語。多くの戦記物を読んできて、三方ヶ原の合戦も、しばしば話の流れの中で色々出てきたが、これほどじっくり味わう事ができた本は初めてだった。徳川、武田両軍の視点で描かれていて興味深かった。胃の病で死期が近いことを悟った信玄は、自身の死後も武田家を安泰とするために、甲斐国を出陣し侵攻を開始する。それを受けとめる徳川軍。戦国最強の武田軍に対して冷静に分析する家康。読み始めは登場人物の多さに苦心したが、次第に面白い読み物に変わっていった。2025/02/25
ポチ
54
クライマックスの三方原合戦に向け徐々に高まる、武田信玄や徳川家康の心理、緊迫感が臨場感を伴い描かれ面白く読了。ただ、信虎の登場場面が新解釈なのかも知れないが要らないと感じた。2025/03/05
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