メランコリーで生きてみる

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メランコリーで生きてみる

  • ISBN:9784845923335

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内容説明

世界は不完全で残酷。
だからせめて、悲しみとうまく付き合おう――

〈メランコリー〉には、現代社会を生き抜くヒントが満ちている。
哲学者アラン・ド・ボトンが、歴史、アート、宇宙、建築、旅……など35のテーマから探るその効能とは?
幸せの押し付けに疲れたすべての人へ送る、深い悲しみに対するなぐさめの書。

「メランコリー」と聞いて、どのような心の状態を思い浮かべるでしょうか。憂鬱、もの悲しさ、気分の落ち込み、ふさぎ込み、哀愁……。これらは誰もが抱く感情でありながら、目まぐるしい現代社会においては重要でないもの、あるいは治療の対象とされ、その効能は見落とされてきました。しかし著者は「メランコリー」こそが、不完全な世界や思い通りにいかない自分の人生とうまく向き合い、よりよく生きるための最善の方法であると言います。

本書では、哲学、歴史、アート、宇宙、性愛、旅、建築、宗教など多様な35のテーマから、「メランコリー」に生きるヒントやその効能をひもときます。

 ・人がたくさん集まるパーティーに出かけるよりも、しんとした宇宙や、いろんな国がたどってきた歴史のことを考えるのが好き。
 ・ここではないどこかへ行きたいと願いながら、いざ美しい風景を目にすると途端に物悲しさがおそってくる。
 ・毎日やるべきことをいっぱいにして自分を追い立てながら、日曜の夜に「自分にはもっと向いている仕事があるはずなのに」と考え込んでしまう。
 ・弱っているとき、自分のなかの「内なる批評家」が人生のあらゆることにけちをつけ、不安を煽ってくる。

ひとつでも共感できることがあれば、ぜひ本書を手にとってみてください。

本書の原書は、著者アラン・ド・ボトンも主宰のひとりであり、ウェルビーイングに関する教育・出版活動を行う「ザ・スクール・オブ・ライフ」から刊行されました。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

きみどり

10
フランス人哲学者による「憂鬱のススメ」。この残酷な世界を、抗うでも拒絶するでもなく、悲しみと共に受け入れて生きていこう。メランコリーは忌まわしいものではない、と。秩序だてること、解決することを至上と考える西洋の人ならではの葛藤があるなあと思いつつ読んだ。面白いのは、葛飾北斎の富嶽三十六景にメランコリーを見出しているところ。強風に煽られたり大波に翻弄される人々の姿に、自然の前になす術をもたない弱さを感じ、これこそメランコリーなのだと。2025/04/25

さやか

0
うーん、期待ほどではなかった…。まさにSNSなどに抜き書きしたくなるセンテンスだらけ。哲学というよりはエッセイだし、言い切りでたたみかけるように続く自己啓発本のスタイルも私には合わなかった。具材として持ち出されるネタはさまざまで面白かった。「私たちメランコリーな人」って、もちろんみんなおんなじではないのでここはわかる、そこは違うなぁ、と感じながら読むのがいいかも。2025/08/08

ろくしたん

0
内向的なひとのための、メランコリー入門。明るく元気に生きることだけが正解ではない。「知る」ことで陥るメランコリーなど。2025/06/20

荏苒 byn

0
メランコリー(憂愁)をお題にした連作 エッセイ35。短編小説家でも これは難物。「 内向性」 とは 特に馬が合う筈p 59で 、 著者自身代弁してるようだ。 過去の著書の ように絵画論が幾つか( 北斎も)。メランコリーとは「 なんとか歩み続けようと辿り着く境地、 疲弊した心を向かわせる賢明な態度」抄。陽なテーマではないが 各所に辛辣とユーモア。「 ポールゴーギャン全島民に梅毒を移した(伝染が正)画家 」強烈なのは「 家畜とメランコリー」 ビーガン 的 ライフ指向になる。 知的に刺激する知識と洞察の一冊。2025/06/16

shiro

0
いささか退屈に感じたり、読み辛い文章だと感じたけれど、『アグネス・マーティンとメランコリー』は良かった。禅を学んでいたマーティン。その人生観や作品を通して伝えたかったことを読み、自分の裡と対話する大切さを忘れないでいたいなと思った。2025/05/02

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