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内容説明
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終るだろう」 レヴィ=ストロース「悲しき熱帯」の最終章に出てくる有名な言葉です。それでもヒトはこの世に生まれ、生き、病み、老い、死ぬ。それでもヒトそれぞれの生きざまは胸を打つ。巨匠いがらしみきおが贈る入魂の人生絵巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
30
タイトルからわかるように、山田風太郎『人間臨終図鑑』から着想を得た新作。とはいえ、いがらしみきをは架空の名もなき人物の一生をたった8ページで描くことを選択する。その短さが、しかし人間の一生の儚さや奥深さ、皮肉やあるいは奇跡といったものをより効果的に伝えているのだ。ままならず、罪深く、ささやかで、けれど同じものなどひとつもない唯一の人生達は、生きることの尊さをまるで教科書的な言葉とは対極の表現でもって、私達に教えてくれる。2025/02/19
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
17
架空の市井の人物20人分の誕生から死までがいずれも8ページでまとめられている。 著者は「神」なるものを作品に時々登場させる。 人が「神」に求めるもの、それを非常に遠回しに具現化している。 神を見つけた人、神に出会った人、神など信じていない人、それぞれの神との距離感が1人の人間の人生として描かれている。 神との距離が近ければ近いほど、人は幸福であるか。 否、神を信じていない人間にとってはたとえ隣に神がいたとしても、自分の人生には何ら影響を与えることはない。 信じるものは救われる。 2025/05/21
ryohjin
16
300万年前から現代まで、国内海外取り混ぜて20人の一生がフィクションとして描かれています。1人8ページの短編漫画なのですが、その人の一生がしっかりと伝わってきます。明示された生没年をみると、60年以上生きたは人は4人だけで、平穏無事ではない人生が多く描かれていることがわかります。人類発生以降、それぞれの人がそれぞれ違う人生を送ってきたことをこの20人の物語から、あらためて感じ取り、ひとりひとりの人生の総体が人の歴史であるのだなあと感慨深く受け止めました。2025/02/25
geromichi
7
いがらしみきおのエッセンスが詰まっています。本の佇まいの割にはそこまで値段も高くないから、買いです。2025/05/06
にしざわ
2
創作とはつまり想像力のことなのではないかと思う。2025/03/29
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