内容説明
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太平の世とうたわれた江戸時代、人びとは学問や趣味・娯楽で暮らしを彩りました。本書は特定の事物にのめり込んだ人、それらを生きがいとした人を「オタクの先人」とし、そのディープなオタクライフを紹介します。象に憧れ遠い異国から呼び寄せてしまった将軍、43年越しに地元のPR誌を作り上げた商人など、その興味の対象はさまざま。どの人物も自分の「好き」に忠実で、じっくりと対象に向き合うすがたは現代の私たちと紙一重。親近感すら覚えます。今、なにかにハマっている人も探している途中の人も、辛酸なめ子さんを案内役に、彼らの清々しい欲望を覗いてみませんか。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロア
23
江戸時代の趣味を極めた人々が25人紹介されています。品のある語り口は今まで通り変わらずですが、ずいぶん線がすっきして洗練された絵になられましたね(*´ω`*)2025/04/20
あねさ~act3 今年1年間は積読本を無くす努力をしたいなぁ。←多分無理🤣
16
知っているエピソードもあったけど、知らないエピソードも多く面白く読めた。 1人あたり数ページは少ない。面白かったけどもっと掘り下げて欲しかった。全3巻くらいとか………🤣 そう言う所が自分はオタク気質なんだなぁと思う。 2025/06/15
luadagua
15
江戸時代前期、中期、後期に分けて25人のオタクたちを辛酸なめ子さんがご紹介。なめ子さんの語り口がめちゃ楽しい。衣装、石、貝といったコレクターとか、歌舞伎役者やお茶屋のアイドルの推し活とか、日本のオタク文化は今も昔も変わらないと思うけど、昔の方がある程度の財力がないと無理そう? そして、地獄に堕ちたくなくて逃げまくって逆に地獄オタクに、怪異に遭いすぎて怪奇オタクに、天狗に誘拐されて天狗オタクになってしまうのには笑ってしまう。何がキッカケでオタクになるのかはわからないものだな。2025/04/05
えつ
11
辛酸なめ子さん、ずっと気になっていたのだけど、装丁とタイトルが魅力的なこちらを手に取ってみた。江戸時代にはもうすでにこんなにオタク気質な人たちがいたのか…と驚き。天狗に誘拐されて天狗オタクって…すごい。そして、天狗って関西方面なイメージあったけど、関東だと、妙義山・赤城山・榛名山ってあって、我らが群馬の上毛三山じゃないか!!!とさらに驚き。そっか…天狗か…。オタク気質も進む方向(ハマり具合?)さえ間違えなければ、人生を豊かにしてくれるものだと思う。だから、わたしも自分の「好き」に忠実に生きようと思った。2025/04/18
gorico
9
「好き」が昂じてオタクになるというのは、いまも昔も変わらない人間の性質らしい。そんな愛すべきオタクたちin江戸時代の生態が、著者特有の体温の低い文体で淡々と描かれる。華岡青洲の麻酔オタクや鈴木春信の茶屋娘オタクくらいは見当もつくが、ほとんどは知らない人々の聞いたこともないマニアぶりだった。個人的に好ましく思ったのは、まじない歌オタクの糟谷磯丸さん。罪がなくていい。あと、鎖国下のわが国に密入国していた日本オタクのアメリカ人がいたとは!2025/06/19