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内容説明
1966(昭和41)年、日本の出生数が統計史上最低を記録した。原因となったのは迷信。60年に1度めぐってくる干支、丙午(ひのえうま)にまつわる俗言のためだった。高度経済成長の只中、たった1年、なぜ迷信がそこまでの出生減をもたらしたのか? 昭和のひのえうま生まれの計量社会学者が、迷信の成立した江戸期にまでさかのぼり、拡散・浸透のタイムラインをつぶさに追いながら、日本でだけ生じた特異な「社会現象」を読み解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
136
迷信など気にしないので、ひのえうま生まれが人口ピラミッドに影響するほど忌避されていたとは知らなかった。江戸時代にも俗信で人口減少が発生していたが、明治以降は無責任なマスコミの売らんがための書き散らしが原因だったとは。しかも1906年は日露戦争の影響で自然に出生率が減っていたのに対し、1966年には人口増を懸念した政府が「明るい家族計画」を推奨していたこともあって出産数が減ったのだ。さすがに来年は同様の事態が起きるとは思いたくないが、SNSでフェイクニュースを宣伝する輩が出てきたら冗談では済まなくなるかも。2025/06/29
kk
35
図書館本。「丙午」伝説360年の歴史を振り返し、この迷信が及ぼした害悪の実態やその背景なとを考察した上で、今日的な位置付けと今後の見通しなどを論じます。実はkkも丙午生まれなのですが、自分の生年について、どちらかと言えばポジティブに捉えて来たのですが、この迷信が過去において多くの悩みと苦しみをもたらしてきたこと、初めて意識しました。そうした年であってもkk を産んでくれた親に、今さらながら感謝です。「丙午」騒動は昭和で打ち止めになる見通しとのこと、本当に宜しいことと思います。2025/03/27
よっち
29
日本の出生数が統計史上最低を記録した1966(昭和41)年。高度経済成長の只中、2つのベビーブームの間にあって、なぜ迷信が出生減をもたらしたのかを読み解く1冊。60年に1度ある干支ひのえうまの代名詞のように言われた八百屋お七。都市伝説が生まれた背景や幕末には全国に拡散した経緯があって、人口動態が判明している明治は4%減で昭和の1/5程度しかない一方、不縁や連続自死といった社会現象を引き起こしていた事実。昭和は追跡調査を見るとそこまででの影響はなかった印象ですが、令和の時代にどれくらい影響があるのかですね。2025/03/13
りらこ
26
「ひのえうま」生まれは気が強く、夫を食い殺すような存在になるというまったくもってナンセンスな迷信。しかし笑い飛ばせないのは、ちょうど59年前の丙午の年、人口ピラミッドがそこだけ大きく窪むほどの出生減。この本はその丙午をめぐる迷信の発生時であるらしい江戸時代の文献からさかのぼって、社会で何がおきていたのか、を解き明かしたもの。59年前はマスコミの責任もありそう。同調圧力もあったのかも。それによって堕胎などもあったのかもしれないがそのあたりは数値がわからない。あらためておかしな話であることよ。2025/04/06
サトシ@朝練ファイト
25
ひのえうま・丙午は来年ですね。昔の知り合いで、姉(甲辰 獅子座 B型)、妹(丙午 獅子座 B型)の姉妹がいました。姉妹で喧嘩をすると妹の方が強いと言ってたかなあ。2025/07/21
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