内容説明
普段身近に楽しんでいるカフェというものは、どのような歴史的なルーツを持っているのか、どのような文化的背景とつながっているのか、飲み物とお菓子を片手に「なるほど」と思えるような、いつものカフェタイムがちょっと楽しくなるような世界史の話。
noteフォロワー1.7万人、イタリアからカフェや美術館について発信を続ける気鋭の研究者、渾身の初著書。
装画:藤田嗣治《カフェにて》1949
※権利者の許諾を得て使用しています※
ザッハトルテはアルプスを越え、バームクーヘンは海を越えた。
ロンドンのコーヒーハウスは社会を変えた。パリのカフェは芸術を支えた。
カフェ誕生前夜から、現代の最新事情まで。
カフェとそれを取り巻く飲み物やお菓子を切り口にした歴史案内。
※カバー画像が異なる場合があります。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
117
冒頭にある通りカフェの発展や各国の喫茶習慣の変遷に関する本は多いが、本書はカフェという切り口から16世紀以来の人類の歩みを辿る。コーヒーや砂糖、香辛料を求めヨーロッパの植民地獲得と奴隷移送が広がり、欧州内でも戦争や婚姻や交易を通じて土地に合ったカフェ文化が定着していく。王侯貴族が愛好すると王室御用達制度が成立し、カフェに集まった客が新しい芸術から革命まで生み、戦時の物資不足がインスタント製法をもたらした。供されるパンや菓子にチェーン店の興隆まで含めると、カフェは近現代史を動かす隠れた主役とすら思えてくる。2025/03/18
さばずし2487398
34
カフェの歴史という事に特化して読むと少し西洋史の記述が多いと感じるかもしれないが、その中で王室御用達や名門カフェ、お菓子屋さんの流れが読めるのは面白い。欧州では庶民にとっては議論をする場から発展し日本もその流れを汲んでいる。そうした人との出会いの場が歴史も動かすわけで、逆に飲食の場をシャットアウトしたコロナ禍もまた歴史の一点なのだ。また、チェーン店も決して何でも画一化しているのでなく国によって戦略を変えているのも、当然ながら気づきにくい。日本ではどんな戦略や工夫があるのか一度じっくり研究してみたい。2026/01/08
鈴木拓
26
「カフェの」とついているが西洋から見た世界史を、カフェという要素を絡めて眺めてみるという一冊。おちついたカフェで読みたい内容で、西洋史に疎い私には理解しきれない部分もあるが、特に西洋の歴史は争いの歴史なんだなと思う。一方、茶を楽しむ文化はアジアから伝わっていったようで、そのことで「話し合う場」ということの楽しさと大切さも伝わったのかもしれない。カフェといっても地域によって在り様が異なるのが面白く、成り立ちや文化の違いを感じながら一杯のコーヒーあるいは紅茶などを楽しむのもいいかもしれないと感じた。2025/11/09
sheemer
19
著者はイタリア在のルネサンス期イタリア史を専門とする大学院生で、卒論提出後の2024年9月に書き始め、翌2月に上梓した。カフェ文化をピボットに世界の歴史を再訪する様な本で、カフェ文化を知りつつ高校プラス程度の世界史を総覧できる。意外なお徳本。私的に作っている歴史年表にいくつも項目が追加され、歴史知識がカフェ文化と共に補強された。執筆の経緯のままに学術的雰囲気であり、文献参照がしっかりある。女子的カフェ熱と学術の香りがハイブリッドになった、とてもチャーミングな本だった。これからどんな本を書かれるか楽しみ。2026/01/13
まる@珈琲読書
14
★★★★☆ ■著者はミラノ在住。世界史の中で、カフェ、コーヒー、菓子がどのように市民に受け入れられ変化してきたのか、また、イギリスのコーヒーハウス、イタリアのバール、アメリカのスタバ、日本の喫茶店などの歴史や成り立ちなどがよくわかる。純喫茶と言うのはそういう背景があって生まれた言葉なのねなどと発見がたくさん。コーヒーを飲みながら、あっという間に読み終えました。喫茶店、コーヒー、読書好きの方には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。2025/08/11




