内容説明
明治10年、内務卿大久保利通は、猪苗代湖の水を郡山へ流す安積疏水事業を提案。没落士族救済のため、荒地を肥沃な農地として拓くという。大久保は大分出身の南一郎平を抜擢して責任者にするが、奥羽山脈の硬い岩盤を貫く難工事の上に、癖のある男たちが次々と登場して紛糾。さらに大久保暗殺事件が起こる。南は御雇外国人で土木の専門家、オランダ人のファン・ドールンと協力し、工事を進めようとする。さらにフランスで学んだ若い日本人技術者の知恵を取り入れ、不可能と思われた安積疏水事業を成功に導く。巨額の国家予算を投入した日本初の大土木事業を描く歴史小説。
目次
序章 真珠湾から三年
第一章 安積原野へ
第二章 それぞれの峠
第三章 ヤアヤア一揆
第四章 武断派の覚悟
第五章 待ちわびた起工式
第六章 竜神の潜む沼
第七章 涼やかな水音
結章 よみがえる日々
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
はちこう
15
表紙と副題に魅かれて手にしたが、主人公は大久保利通ではなく、福島の猪苗代湖と郡山を結ぶ「安積疎水」の工事に携わる、南一郎平(日本三大疎水の父)とその仲間たちの群像劇という内容だった。大久保の登場シーンは少ないが、士族の反乱が続く中、大久保がこの国家プロジェクトに懸けていたであろうことが伝わってくる。「安積疎水」の完成を見ることなく道半ばで大久保は暗殺されてしまう。大久保はどこか維新のヒール役という印象だったが、彼の人間味ある一面を知る良い機会になった。2025/05/03
coldsurgeon
6
明治期の巨大土木プロジェクトに焦点を当てた歴史小説。大久保利通が夢見たプロジェクトらしいが、彼の怜悧な政治判断しか知らない私には、意義深い内容だった。南一郎平という技官が統率するプロジェクトだが、癖のある男たちに妨害されながら、難工事を遂行する姿はまばゆい。そんな土木工事の恩恵が、今の福島県にある。2025/06/28
のりさん
2
ファン・ドールン像は本書通り足元が本当にセメントで固定されているとの事。戦時統制の中で銅像を隠すという英断をよくぞしてくれたと称賛したい。そして本編の安積疎水事業は関係者達の熱い情熱がヒシヒシと感じられて読み応え抜群。素晴らしい小説でした。2025/04/27
好奇心
1
疎水とは、人工水路のこと日本三大疎水 安積・琵琶湖・那須 明治10年代に完成したのが今の福島県の安積疎水、大久保利通が暗殺される直前、提案した最後の夢の土木工事である原野を開発し稲田をつくる士族授産政策の一つかもしれないトンネル掘削機械・ダイナマイト等 西洋土木技術を取り入れ着手、その先頭に立ったのが大久保に見出された南一郎平、土木基礎能力有していただろうが、それを上回る集団統率力・調整力に驚かされたファン・ドールンの銅像を金属供出から土中に埋め、守った人たちに敬意を表したい、大久保さん地下で喜んでいる 2025/03/06
-
- 電子書籍
- 大江戸24時 浮世絵で庶民ライフを物見…
-
- 電子書籍
- 俺だけ最強超越者~全世界のチート師匠に…




