内容説明
子供の世界へダイブする、カラフルな短篇集
植物や花、虫やさまざまな生き物が乱舞する、色鮮やかで心躍る「子供の世界」へ!
二人の少年が川原で拾った、怪我をした犬の命運は。(「心臓」)
子供が飲み込んでしまったスモモの種はいつ出てくるのか。(「種」)
「穴」で芥川賞を受賞して以来、独自の小説世界を築いてきた小山田浩子さん。近年では海外に招かれる機会も多く、「日本発のマジックリアリズム」の旗手として注目を集める著者が、言葉の奔流のような文体と、顕微鏡をのぞきこむような高精細な描写で「子供の世界」に挑む9篇。
子供の世界へ身体ごとダイブし、子供が見るように世界を見る、唯一無二のカラフルな小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
161
小山田 浩子、4作目です。本書は、バラエティに富んだ子供の世界の連作短編集でした。オススメは、『心臓』&『種』&表題作『ものごころ』です。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/97841639194232025/03/09
hiace9000
127
小山田さん初読み。クセ強め、いわゆる"芥川賞系"文体のクセが癖になる磨き上げた独自小説世界。九短編はどれもごくごく日常の生活で浮かんでは消える泡沫の如き雑念。ただしその描きの印象は、驚異的かつ映像的。犬も種もホタルもヌートリアも、視点、話者、場面、現在、過去が目眩めく遷移し瞬時に切り替わる。流れ去る脳内の閃光を生のまま写し取り、あらゆる思考を鮮やかに浮かび上げる手法はかつて未読の読書体験。少年、母、女性らの目と心が捉え感じたリアルが、まさにライブ映像で読み手の心に鮮烈に流れ込み、強く共鳴させるのである。 2025/06/21
ケンイチミズバ
76
ヤゴの孵化に少年は感動した。翅に障害を持ったトンボは飛び立つことができて安堵する。著者は酷い終わり方をさせているが。私も子供の頃に昆虫トラウマがある。田舎の従弟たちにお願いしていたクワガタでなくがっかりしたものの、オニヤンマだし、立派なキリギリスをもらい喜んだ。勢い両親に「ほらっ!」とオニヤンマの翅とキリギリスの後ろ足をつかんで見せた瞬間、キリギリスがオニヤンマの顔を齧り、びっくりして両方とも落とした。顔のないオニヤンマが地面でのたうち、片足のもげたキリギリスは優々と逃げた。またも細部の描写が際立つ作品。2025/02/25
kameyomi
41
一文が長い。読点が殆どない。段落分けどころか改行も殆どない。行の途中からどうやら主語が変わっていたらしい事を戻って確かめたり、それでもはっきりしなかったり、時間や場面すらいつ変わったのか分からなかったり、いくら考えても意味がとおらない一文が挟まれていたり…。故に余りにも読みにくい、と言うより読めているのかすらはっきりしない。だが、この小山田氏の戦略は功を奏しているのだと思う。それぞれの短編は冷静に考えれば特に斬新な内容ではないが何か違う角度から新鮮な感覚を味わえた様なそんな気分にならないでもないからだ。2025/12/01
けえこ
27
当事者だったり、親目線だったり、子供の世界を描いた短編集。 第一話と最終話、小学校から中学にかかる年齢、エイジと宏の話が印象的。 犬を介して部分的に仲が良いけれど、年齢が上がるにつれ交わることが減って行く友人。懐かしい気持ちを思い出す作品だった。2025/04/23
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