新潮文庫<br> プリンシパル(新潮文庫)

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新潮文庫
プリンシパル(新潮文庫)

  • 著者名:長浦京【著】
  • 価格 ¥1,155(本体¥1,050)
  • 新潮社(2025/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101057613

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内容説明

非情と外道がこの家の規律だった。1945年、東京。関東最大級の暴力組織、水嶽(みたけ)本家の一人娘・綾女(あやめ)は、父の訃報に呼び戻され「組長代行」となることを余儀なくされた。戦後混乱期を牛耳るヤクザたちの熾烈な抗争、利権を貪るGHQ、それらを利用しようとする大物議員。流血も硝煙も権力の策謀も懼れぬ究極の「悪女」と化した綾女が、最期に目にするものは。一気読み必至の超弩級ピカレスク・ロマン。(解説・末國善己)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あすなろ

103
なんというのか、凄惨過ぎて凄すぎる、と言えば良いのか。戦後すぐからスタートする女組長のノワール小説であった。評論家風に述べるならばそこに超弩級が付く。しかし不思議なものでこの凄惨なノワール・ノベルに読者である僕は惹き込まれるのである。計702頁の物語に。更に綾女の生き様にも惹き込まれてしまった。綾女への押し寄せる共感に抗えない。ノワールであるのに。さて、長浦氏の作品は実は初読みだったのだが、また別の作品も折を見て読んでみたいと痛切に思ったのである。2025/06/15

オーウェン

50
終戦後に教師である綾女は暴力団の水嶽家の社長を代行する羽目に。 それはヤクザで構成された組織であり、GHQなどと敵対していくうち、次第に暴力も辞さない立場に。 長浦さんらしく、突然始まる暴力が予断を許さない。 綾女を守るため、部下たちが命を懸けるという修羅場の連続。 ハードボイルドな世界に女性が主役という立場がしっかり確立されている。 次第に組織の規模が大きくなり、首相やアメリカの政府にまで影響を及ぼしていく。 そしてやられたらやり返せの世界でしっかりと完結させる辺りも壮絶。2025/07/19

chiseiok

34
これぞ長浦京の真骨頂!長浦作品は文庫新刊平積みされたらノーチェックで買うのだけれど、前作が個人的にイマイチ(^_^;)だったのでめっちゃ嬉しい。裏切り上等、見殺し上等、好きだけど蹴落とす、好きだから殺す、歴史教師上がりの清楚な女組長、冷静な狂気のほとばしるまま修羅の道を全力全開で疾走。暴力世界のみならず、経済や政治の世界でもその頭抜けた胆力と頭脳で高みへと駆け上がってゆく。ノーブレーキで走り切ったその先は…。まるで日本のウィンズロウって自分も言った気がするけれど、帯の惹句で小島秀夫さんにパクられた(笑)。2025/05/30

Shun

34
長浦京は初読みの作家。戦後の混乱期に生き残りを懸けたヤクザ同士の抗争に加え、GHQと政治家らとの三つ巴の謀略を描く。そして極道の家系に生まれながらも極道を憎み、戦前は教師を務めていた女性・綾女が主人公。父の訃報を機に組織の長となる運命から逃れられなかった綾女だったが、聡明な彼女は誰よりも才覚を発揮し、GHQによる占領下の混乱の世を巧く渡り歩く。時にはGHQからの要請で違法な汚れ役を引き受けながらも日本の再建に貢献してきた綾女。多くの暴力と死を見てきた彼女も国の安定が進み、次第に希望を見出していくが・・・。2025/03/16

練りようかん

13
終戦と父の臨終。親の生業を嫌悪していた主人公が後を継ぐ動機づけは、肝が冷える凄惨さで強烈な印象を残した。政界・GHQ・経済界・芸能界に渡り ヤクザ以上のものになっていく展開で、登場人物のモデルを想起し本当にあったかもしれないと思わせる裏側は野次馬根性を刺激。おそらく読みどころは主人公の罪悪感からくる自分はいつ死んでもよく、誰か代わってくれというかりそめの意識が完全に変わる様なのだろうが、多すぎる屍の方に関心は向いた。一族の保守は戦争と同じ原理に思えて、「もはや戦後ではない」という言葉が皮肉な響きを持つ。2025/08/10

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