新潮文庫<br> あわこさま―不村家奇譚―(新潮文庫)

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新潮文庫
あわこさま―不村家奇譚―(新潮文庫)

  • 著者名:彩藤アザミ【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2025/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
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  • ISBN:9784101211626

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内容説明

東北地方の旧家・不村家では数代に一度、特別な子供が誕生する。人智を超えた才知を授かることから繁栄の兆しと崇められる一方、「あわこさま」と呼ばれる怪異があると畏れられてもいた。異形の奉公人たちの手で守られる平穏な日常が闖入者により瓦解したとき、人々は思い出す。――あわこさまは、不村に仇なすものを赦さない、と。「水憑き」一族の栄枯盛衰を描く、危険すぎるホラーミステリ。(解説・朝宮運河)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

30
数代に一度、生前に躰を「お納め」した子が生まれる東北地方の旧家・不村家。異形の一族の昭和から現代に至る年代記を描いたホラーミステリ。人智を超えた才知を授かることから繁栄の兆しと崇められる一方、陰には「あわこさま」と呼ばれる怪異があると畏れられ、特別な子どもの世話を出来るのは同じく異形の奉公人たちのみ。各時代の人物の視点から綴られていく物語はそれこそ時代によって様々で、土地に憑いているあわこさまの力はなかなか強力なものの、あくまで守っているのは家であって、逃れられず積み重なってゆく一族の呪いが印象的でした。2025/03/27

あたびー

29
宮城県の山中の集落に、産婆を生業とする一族、不村家には「あわこさま」と言う憑き物がいると言う。あわこさまに妬まれるため身体に障碍を負う者だけを雇い、一族以外で障碍のない者は一人で屋敷内に入ってはいけないなど謎の多い不村家の、戦後すぐから百年程の足取りを描く連作短編。文章が端正である事、会話文が自然である事で初読ながら作者に良い印象を持った。一族の厭わしい運命と、「フリークス」「エレファント・マン」「孤島の鬼」の系譜を引く異形のものたちの哀しみを描く恐ろしくも美しい物語だった。2025/04/07

空のかなた

27
異形の者、憑き物筋、産婆と間引き、脈々と続く禍々しい血筋。それに対する村の人々の差別や軽蔑の眼差し。それを耽美で幻想的、そして摩訶不思議なモノガタリを形作っている。怖いとか気持ち悪いという展開ではなく、理解できない禍々しさや正体の分からない「あわこさま」に惹かれながら読み進んだ。この沈殿するような粘着性の感覚は、表紙装丁からも感じ取れる。とにかく不思議な一冊。初読みの作家さん。2025/05/09

igaiga

16
単行本でも読んでたので再読。でも、この手の話はやっぱり2回読んでも理解できるものでもなくて。ただ、昔はそういう感じの人も沢山生まれたんだろうな。菊がいう「かた〇」これって今NGワード? 「どうして僕だけかた〇じゃないの?」には驚いた。ラストの話は好き。ようやく幸せになれた人がいた。2025/07/12

イシカミハサミ

15
――東北地方の旧家・不村家では数代に一度、特別な子供が誕生する。 ――奇妙なことに、不村家の奉公人は、すべて異形の者だった。 プロローグの舞台は1898年春。 奇譚の定番に思える始まりだけれど。 その後のエピソードの舞台は、 1978年夏、 1977年春、 1978年秋、 1998年春、 2032年初夏、 20**年春、と続く。 地表をコンクリートで覆って、 片手に端末を持って過ごすようになっても、 今は常に過去の上に成り立っている。 確かにあった、業の物語。2025/04/14

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