大地からの中国史 - 史料に語らせよう

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大地からの中国史 - 史料に語らせよう

  • 著者名:大澤正昭【著】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 株式会社東方書店(2025/02発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784497225016

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内容説明

農業は不滅です

主食であるコメ・コムギの栽培から、コムギの加工食品である「餅(へい)」「麺」、農具の発展、お茶・野菜の栽培、養蚕のための桑の栽培、肥料まで、中国における農業の歴史を史料から掘り起こす。
近代以前の農業は有機栽培であり、自然に存在する材料を使って作物を育て、人間や家畜の食糧・飼料とし、さらにその排泄物を作物に施して肥料にする。この自然と人間の循環関係を続ける営みは、いま注目されているSDGsの課題に正面から応えるもので、農業史研究はきわめて現代的な課題を追究する分野でもある。

【著者】
大澤正昭
上智大学名誉教授。現在(公財)東洋文庫研究員。専門は中国前近代史、農業史、唐宋時代の社会史。主な著書:『陳 農書の研究 12世紀東アジア稲作の到達点』(農山漁村文化協会)、『唐宋変革期農業社会史研究』(汲古書院)、『妻と娘の唐宋時代 史料に語らせよう』(東方書店)、『中国農書・農業史研究』(汲古書院)、共著『主張する〈愚民〉たち』(角川書店)、『春耕のとき 中国農業史研究からの出発』(汲古書院)など。

目次

まえがき
序章 中国農業史の空間、時間、視点
附篇 中国農業史関連史料の解説
一章 田植って必要?――田植法略史
コラム1 江南の水利施設――古墓・史跡調査記『記憶された人と歴史』から
二章 乾燥地だって農業ができる――華北乾地農法の開発と二年三毛作
三章 餅はモチでなく、麺はうどんではない――『斉民要術』と『太平広記』から
補論 中国史上の蕎麦
四章 犂のトリセツ――長床犂略史
五章 「日常茶飯事」っていつから?
六章 唐の都・長安の畑から――カブラ類略史
七章 綺羅、星のごとし――絹織物は桑の葉でできている?
八章 「糞」の行方――肥料略史
終章 農業は永遠(とわ)に続く
コラム2 この上なく〈自由〉な人々よ
あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

さとうしん

21
農業史の概説ということだが、作物の品種改良から農機具の問題、食物、養蚕と被服、そして肥料と思ったより話題が広範。議論に関係して特定の文章の引用関係など、意外にも文献学に関係するような議論もある。こういうことは何を研究するにしてもつきまとう問題ということだろう。カブラなどアブラナ科の作物の時代ごとの描かれ方に注目したりなど図像学的なアプローチもあり、また著者の前著『妻と娘の唐宋時代』と同様、小説も史料として積極的に使用しており、小説を史料とする際のよい手本となる。2025/02/06

河イルカ

4
穀物、野菜、お茶、蚕、堆肥を通して、中国の農業の実態を多角的にとらえている。昔の農作業と言えば何となく、穀物と多少の野菜というイメージだったが大きな誤りだった。 中国の文化の代表的存在であるお茶や絹の生産に積極的に取り組む様は、農民が文化の担い手なのだという強さを感じた。2025/03/20

すいか

2
中国の農業史について、『斉民要術』(北魏)以降の歴代の農業書や小説史料をもとに、様々な農法、主要作物の生産方法や食物としての調理法や食べられ方、肥料、農業経営の在り方まで多方面に渡って詳細に論じられている。田植法には機械を使わない農業の大変さを実感。犂の構造、唐の長安城における野菜を中心とした近郊農業の発展、南宋以降、養蚕が全国に普及したことによる農家における女性の経済的地位の確立といった話題が興味深かった。王朝中国においては、間違いなく不可欠な産業基盤であった農業には、もっと着目されるべきだと感じた。2025/03/12

Go Extreme

1
中国農業史:地理的多様性 乾燥地農法 二毛作 農民生活 技術革新 農業書 社会構造 食文化 環境配慮 持続可能性 歴史的発展 水利管理 土壌改良 農業経営 都市農業 農業技術:耕作技術 田植え 灌漑 長床犂 輪作 堆肥 肥料管理 農具開発 養蚕 農業政策 種子選別 収穫技術 病害対策 土地利用 施肥法 食と農産物:稲作 カブラ 餅 麺 絹織物 調理法 食品保存 発酵食品 漬物 食材交換 栄養価 社会と経済:農村経済 商業流通 食料供給 祭礼 共同体 農業教育 政策支援 市場経済 貿易 運搬技術 労働環境2025/03/07

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