内容説明
木曽山中の旅籠に泊まり合わせた男女学生達の間で起きた毒殺、房総の海に浮かぶボート上での不可解な刺殺、シンガポールの椰子林で発見された売れっ子芸妓と猿の変死体の謎……地方や海外等の旅先で出来した妖しく凄惨な13の殺人事件。時代を超えて読み継がれる名著「半七捕物帳」をはじめ多くの怪談や人情物などを著したエンタメ小説の源流、岡本綺堂の珠玉集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
行加
8
「河鹿」以外は未読でしたので、ちびちびと楽しみながら読みました(*^^*) 怪談ものかと思ってたら、意外とミステリ的なオチの話も多く、まぁ両方を味わえるのも綺堂だな…と思いました。怖さでは「山の秘密」が一番でしたが、「蛔虫 」の今の衛生環境ではまず起こり得ないオチがある意味ホラーだった気がします(^_^;)2025/07/22
Kotaro Nagai
7
大正9年刊行の「慈悲心鳥」の9編に4編を追加した短編集。これら13編は中公文庫版岡本綺堂読物集7冊に収録済み。ただし底本が異なるため、本作中の「山椒の魚」は中公文庫では「山椒魚」となるなど細かい相違はある。作品はどれもミステリータッチの殺人が絡むもので、探偵が活躍するのではなく、当初は謎だったのが後になって判明するという形式。日本のミステリー短編小説の先駆けになる作品群になっていると感じる。「山椒の魚」「医師の家」「椰子の実」がいい。「ぬけ毛」は若い女性同士の愛憎に関わる作品で吉屋信子もびっくりかも。2025/08/11
Gen Kato
5
綺堂ファンなので既読の作が多いのはわかりつつも買って読んでしまう。『ぬけ毛』『狸尼』『山の秘密』がマイベストでしょうか。綺堂が遠まわしに描くエログロネタがツボなんですよね。『娘義太夫』は、ぜったい彼氏も(以下自粛)。回虫の話気持ち悪すぎ。こういうの読むと昔はよかったなんてぜったい言えないと思いますね。『山の秘密』は旦那がひどすぎ(&三津子さん可哀そうすぎ)2025/05/19
MIRACLE
3
短編集『慈悲心鳥』(大正九年刊)に四編の短編を加えた作品集(タイトルは作品が旅先という設定が多いからだと思われる)。表紙のデザインは今ひとつだが、本書は怪談集なので、久々に楽しめた(光文社文庫は『女魔術師』以来、通俗小説ばかり刊行していたので)。怪死の真相は結果としては平凡なものが多いのだが、真相に至るまでの怪しい雰囲気に魅了される。「山椒の魚」「剣魚」「医師の家」「ぬけ毛」「椰子の実」「狸の皮」「娘義太夫」「狸尼」「蛔蟲」(以上が短編集『慈悲心鳥』より)「河鹿」「父の怪談」「山の秘密」「五色蟹」2025/07/12
和衛門
1
怪談とは文体なのだと思った1冊。普通のことなのに怪談として成立している。ただし、読後はあまり記憶に残らない。だから、読むには苦労した。2025/05/24
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