小学館文庫<br> 教誨

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小学館文庫
教誨

  • 著者名:柚月裕子【著】
  • 価格 ¥891(本体¥810)
  • 小学館(2025/02発売)
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  • ISBN:9784094074338

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内容説明

女性死刑囚の心に裡に迫る長編犯罪小説!

どうすれば、事件は防げたのか。すべての者の鎮魂を願う。
――柚月裕子

 吉沢香純と母の静江は、遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、刑の執行後に東京拘置所で遺骨と遺品を受け取った。響子は十年前、我が子も含む女児二人を殺めたとされた。事件当時、「毒親」「ネグレクト」と散々に報じられた響子と、香純の記憶する響子は、重なり合わない。香純は、響子の教誨師だった下間将人住職の力添えを受け、遺骨を三原家の墓におさめてもらうために、菩提寺がある青森県相野町を単身訪れる。香純は、響子が最期に遺した「約束は守ったよ、褒めて」という言葉の意味が気になっていた――。

※この作品は過去に単行本として配信されていた『教誨』 の文庫版となります。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

193
★★★★★★★☆☆☆秋田連続児童殺人事件をモチーフとした柚月裕子の長編。約束は守ったよ、褒めて――。自分の娘を含む幼女2人を殺害したとして死刑が執行された三原響子は生前、意味深な言葉を遺していた。遺骨を受け取った遠縁の香純が、「約束」の意味を求めて訪ねた青森で知った慟哭の真実。なぜ響子は罪なき幼子を殺めたのか。ミステリとしての意外性は高くはないものの、罪に向き合う著者の真摯な眼差しが印象的だった。死刑囚に寄り添い最期を見届ける教誨師。その実態を知るにつれ、並みのメンタルでは務まらない職業だと実感した。2025/03/19

bunmei

169
『教誨』とは「受刑者に罪を悔い改めるように、徳性を説く事」。幼い自分の娘と近隣の顔見知りの子供を殺した罪で、死刑囚となった女。その殺人動機と死刑執行の際に残した「約束は守ったよ。褒めて」という言葉に込められた謎を巡るミステリー。その謎を追い求め、死刑囚の遠縁となる香澄が調査すると、そこには北国の田舎の閉塞的な人間関係に根付いた家柄、虐待、毒親、貧困と言った負の社会背景が浮かび上がって来る。また、独房の中で、その瞬間を待つ死刑囚心理も生々しく迫って来る中で、事実の裏に隠された驚愕の真実が明らかになる。 2025/05/10

ぶち

107
読み進めれば進めるほど読むのが辛くなってしまいました。切なく、哀しい気持ちで息が詰まりそうになり、何度も本を閉じてしまいました。女児二人を殺害した響子が、刑の執行時に残した「約束は守ったよ、褒めて」という最後の言葉。約束とは何だったのか、それが知りたくて本を再び開くことの繰り返し… 約束の内容がわかった時、さらに苦しくなりました。響子が犯行の経緯を思い出すシーンでは涙があふれて、字が見えなくなってしまいました。人を殺すということは許されることではありませんが、響子をどうしても憎むことができません。2025/05/23

ほんた

87
受刑者が最期に発した言葉。この言葉が何を意味するのかが明らかになった時、何かを護ろうとする強い意志を感じました。教誨という言葉からも重い話だとは思っていましたが、想像以上でした。 https://hontablog.com/教誨2025/08/09

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

85
(2025-62)遠縁の死刑囚三原響子から身柄引受人に指名され、執行後に遺骨と遺品を受け取った主人公。幼女二人を殺害した響子が最期に遺した言葉は「約束は守ったよ、褒めて」だったという。その約束とはなんだったのか?彼女は何故殺人を犯したのか?彼女の故郷青森で知る響子の辛い過去。タイトルと粗筋から見ても重い読書になるだろうなと思いましたが、やはりそうでした。どんな理由があるにせよ、罪の無い幼い子の命を奪うことは許されない。だが、自分が彼女と同じ境遇で育ったとしたら…。そんなことを考えながら読みました。★★★★2025/05/03

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