内容説明
1945年、中国北部、旧満州の山奥・興安嶺で拾われて育ったワンチュンリエン(王春連)、その娘のツァンホンメイ(蒼紅梅)、孫娘ヤンリュウ(楊柳)の三世代の物語。中国では「日本鬼子」と呼ばれ、文化大革命では徹底的な弾圧に晒されたワンチュンリエン。医師を志すも、社会からそれを許されなかったツァンホンメイ。日本に帰国後、壮絶ないじめにあった兄をもつヤンリュウ。女性が自らに語るように過酷な過去と向かい合い、三世代それぞれのアイデンティティの不安が錯綜する。〈中国残留孤児〉の血脈をリアルかつみずみずしく描く物語。
【主な目次】
王春連(ワンチュンリエン)
蒼紅梅(ツァンホンメイ)
楊柳(ヤンリュウ)
ふたたび王春連(ワンチュンリエン)
ふたたび蒼紅梅(ツァンホンメイ)
ふたたび楊柳(ヤンリュウ)
エピローグ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
96
終戦後中国大陸から日本に引き揚げる人、だが中国に取り残された子供たちがいた。足手まといと捨てられたのか親切な人に育ててほしいと思ったのか…中国名王春連は日本名も言葉も覚えていない残留孤児だった。彼女と娘蒼紅梅、孫楊柳の3代に渡る物語。中国では日本鬼子と蔑まれ、文化大革命では弾圧された。残留孤児として日本に帰国しても中国人と見られいじめや差別にあう。なんて理不尽な…。短い作品ではあるが読みごたえがあった。2023/04/15
かもめ通信
19
中国残留孤児”の血脈を三代にわたって語り上げる物語。190ページと、決して長い物語ではないが、フィクションでありながらも、著者が長年に渡る活動の中で知りあった中国残留邦人とそのご家族の実体験に基づいているからなのだろう、読み応えたっぷりの一冊だ。 2022/08/25
チェアー
7
中国へと渡り、日本に帰ってきた。そこに何の責任があるのか。保護しきれずに使い捨てのように人生を消費してきた人々の責任は問わず、翻弄されてきた人に責任が押し付けられてきた。 三代の時間を経ても、自然にのびやかに生きようとする人を許さない国。 そんな世界に生きている、構成しているのだと感じる。それはきっと事実だ。 2022/09/13
宮崎太郎(たろう屋)
5
中国残留孤児として生きた女性から三代、現代まで生きる女性たちを描いた小説。日本でも中国でも常にアイデンティティを問われ、自らも問い歴史と共にある生活。日本はもう一度問いなおす時期に来ていると思う。縦軸と横軸に目一杯広げた歴史観と視点を広くどこからでも見つめられる冷静さをもって。2024/11/16
ぐっち
3
中国帰国者の様々な感情が、丁寧に綴られていた。再読したい本。そして、残留孤児という言葉さえ知らない世代にぜひ読んで知ってほしいと思った。2023/02/24
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