内容説明
阿武隈村の人々が長年培った独自ブランドの米や牛豚鶏が都会の消費者に認知され、ようやく落ち着いた生活を手にした矢先に起きた福島第一原発事故…。村の老人たちにとって、手塩に掛けた耕作地・家畜を置き去りにすることは死よりも苦しい選択であった。彼らはついに「阿武隈共和国」として独立することを決意し、東京有楽町・外国特派員協会での記者会見に臨む…。
「国が故郷の山河を棄てろと強要するのなら、私たちは国を棄て、最期までこの地で生き抜きたい。」
【主な目次】
[序] 宣言の日
[一] 地下広場の隠れんぼう
[二] 終戦っ子
[三] 白紙のプラカード
[四] コサックの焼き鳥
[五] キーワードは風穴
[六] 一行だけのシナリオ
[七] 本気と滑稽
[八] 記者会見の騒然
[九] 核武装の真実
[終] 夢であいましょう
用語解説
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
竹園和明
29
荒唐無稽と一笑に付す事は簡単だが、この150頁足らずの一冊には、福島ひいては沖縄の基地問題にも通ずる核心が在る。原発事故で被曝してしまった福島県相馬郡阿武隈村が独立を宣言。そこに至るまでの経緯を軽いタッチで描く。「事故は地方の出来事」という空気の中、そこに住む人々は暮らしを奪われ、形だけの補償を宛てがわれるのみ。「それなら有史以来の土地を守ろう」と考えるのは地方の者にとっては当然の事だ。「被災者に寄り添い」と首相は言うが、一体いつ寄り添い何をやったというのか。口先だけのその冷たさがこの作品を生んだのだ。2017/07/01
百太
26
井上ひさしの「吉里吉里人」のオマージュなのかな? 井上ひさし氏が、あの震災・原発事故を見ていたら、どんな事を語ってくれたんだろうな読みたかったな。 2019/02/13
穏やか本好きなったんゆーたん
4
薄くて軽快によめそうに感じた前半だったけれど、目が腫れる程泣かされた。"泣ける○○"というのは大嫌い。お幸せな奴はいくらでも泣くことを楽しみゃいい。国と大企業、天災と人災に人生を踏み潰され、自身の後悔も含め、私の立場は被災地に近い。奇跡でも帰りたい、帰れないなら死にたいと願う毎日だ。唯一反対意見は、被災者を安全な場所へ移すためにも、放射性廃棄物拡散は是が非でも防ぐべき!!現実はこうじゃないなんて昨今のケチな小説にウンザリしていた。この本のラストはいい。2012/12/17
かっちゃん
3
久しぶりの小説。中盤までリアル感あったが、ラストだけ話しが現実離れしすぎかな。2014/05/08
みゆたん
3
便利さと引き換えにリスクを負うことに、大半の国民はNOを言わなかった。東電や政府を批判する前に、まずはそんな自分たちを省みよう、という姿勢だけは同意。全体的には感情論が強すぎてうーん…またあとで落ち着いて読み返したい。2012/08/25
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