内容説明
本書には、平成史を彩った数多のスター、政治家などが次から次へと登場する。オウム真理教事件をはじめ日本社会を震撼させた大事件を描く際の臨場感も圧巻。また、編集長として戦友のように付き合った名物記者たちを活写する筆致は深い感動を呼ぶ。著者にとっては、「有名無名」より、「人間」一人ひとりに焦点を絞ることが何よりも大事なのだ。同時代を生きてきた誰もが自らの来し方を想起できる点も本書の大きな魅力である。
【主な目次】
プロローグ 引っ込み思案だった高校時代とバーテンダー稼業
第1章 講談社の黄金時代
第2章 フライデー編集長「平時に乱を起こす」
第3章 週刊現代編集長「スクープのためなら塀の内側に落ちても」
第4章 ばら撒かれた怪文書と右翼の街宣、そして左遷
第5章 もしも、もう一度逢えるなら
エピローグ 愛すべき名物記者たちへの挽歌
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
83
新潮社の齊藤十一さん、文藝春秋の木俣正剛さんに続き、最近、編集者の本が続く。「FRIDAY」「週刊現代」の編集長として大きな成果を挙げた元木昌彦さん。その厳しい仕事ぶりや臨場感のあるエピソードを面白く読んだ。野間家のオーナー企業である講談社において、社長にも阿らない著者の不器用な生き様は、親友であった本田靖春さんとダブって見える。本当は優しいのに素直に表現できない「拗ね者」本田靖春と「野垂れ死に」元木昌彦のシャイな二人である。本書の残念は、余りにも文章が下手なこと。本当に出版社の人かと疑いたくなるレベル。2021/09/10
fwhd8325
52
振り返ってみると、あの時代はよかったというのはずっとついて回るのだろう。得てして、人の成功物語は鼻について食傷気味になるものです。それでも、伝説の編集長と言われる著者の語りは、なかなか面白い。アウトローとも違う空気を感じさせる。2020/08/03
ステビア
18
『週刊誌編集長』と被る部分も多い。死んでいった者たちへの挽歌。2020/08/21
tetsubun1000mg
8
「フライデー」「週刊現代」の編集長を歴任した方らしい。 芸能人、政治家のスキャンダルを暴くのに、全身全霊かけて取材する記者と編集者たちを描いている。 週刊誌とはいえ、記事の裏を取る事にも慎重に時間をかけるらしい。 この本では仕事で出会った、政治家、上司、記者たちの生き死にまで明らかにしていく。 自分たちの命を削るような紙面作り、自分自身の管理職としての出世と左遷、講談社役員・社長たちの暗躍ぶりまで書いてしまう。 真実を暴いて記事にすることから離れられないように感じられる。 週刊誌編集長の生きざまを見た。2020/09/06
sasha
7
大手出版社に在籍したからこそだよね、天井知らずの経費の話なんかは。大手出版社である講談社の一面を知るにはいいが、自慢話が少々鼻につく。今とは時代背景が違うから現代の尺度では測れないけど、同じことを今やったら駄目だろうなぁって話てんこ盛り。2023/10/17