内容説明
テロ事件から読み解く日本現代史。血盟団事件や2・26 事件等の当事者を取材した保阪正康と鈴木邦男の徹底討論。戦前、日本人は何のため国家を改造しようとしたのか? 青年将校や愛国者の心理から日本の希望と課題を浮き彫りにする。
【主な目次】
まえがき 鈴木邦男
第1章 国家改造運動の群像
第2章 五・一五事件と農本主義
第3章 軍事学なき〈軍人大国〉
第4章 未完の国家改造運動と日米開戦
第5章 戦後の革命家たち
第6章 国家改造運動の残したもの
注
関連年表
あとがき 保阪正康
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
年越しそばそっくりおじさん・寺
62
この二人は、本を山ほど出しているので、よくある歴史対談本に紛れているのだが実にもったいない!。二人共、昭和維新の当事者達に実際に会い、取材し、時には師事した方々である。生きた昭和史であり、見事な史論であり、貴重なオーラルヒストリーである。もっともっと読まれて良い名著だと思う。昭和維新というと、どうしても右翼思想という事もあり、誤解されがちだが、保阪正康は右翼でもないのに、橘孝三郎に会い、その人格に触れて深い尊敬をしている。昔の本当の右翼は、左翼思想も理解し、何ヵ国語も読めた凄い学識の持ち主だったのだ。2021/08/10
ken ken
2
昭和4年ウォール街大暴落 (世界恐慌) 昭和5年ロンドン海軍軍縮条約 浜口雄幸襲撃事件 昭和6年三月事件 満州事変 十月事件 昭和7年血盟団事件 5,15事件 昭和8年ヒトラー内閣成立 国際連盟脱退 昭和11年2,26事件 昭和12年日中戦争勃発 学ばねばと思いました。 2017/06/08
Hisao Chugun
1
「戦前右翼」とうか昭和維新運動に関わった思想家について二人が語り合っている。この分野に関してはそれなりに知っているつもりだったが、北一輝と大川周明(プラス頭山満)に偏っていた。農本主義を掲げた橘孝三郎は、水戸に根づいた人でもあり、今後、学んでいきたいと思う。思想を軸に彼らを高く評価している。返す刀でエリート軍官僚についてはボロクソである。それにしても、近年の保守と称する人たちの思想の浅はかさを痛感させられる。 2017/05/05
犬養三千代
0
昭和までの摂政宮期間は軍の統帥権が摂政宮にはなく、軍事行動は無かった。昭和にはいり、きな臭くなったころから 所謂テロの時代になった。お二人は深く数々の名前と共に 生き生きと語られる。 思想があるから、おかしいと批判できる。2017/04/22
三田郎
0
言論の重要性 昔はテロであっても言葉で語れるような理由や理論が存在したというのが重要だということ。そして、昔は言論統制によってそれができなかったということも大きいということ。2024/06/08
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