内容説明
新選組とはいったいなにか。「池田屋事件」である。
実際、この事件には新選組のすべてが集約されている。
新選組はとにかく池田屋事件によって一躍、幕末の表舞台に駆け上がった。もし池田屋事件がなければ、新選組が動乱の幕末史にその名を刻むこともなかっただろう。戦前戦後を通して、その時代の新選組映画が、果たして池田屋事件をどう描いたのか?順々に考察して行く。図版多数収載。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田中峰和
6
戦前は皇国史観の影響が映画界にも浸透していた。幕府のために働く新選組は悪役で、討幕派は正義という位置づけが続いた。新選組映画も作られていたが、池田屋事件にしても、「その前夜」という映画では庶民の視点で新選組批判が行われている。戦後、民主主義の時代、映画も自由な発想で製作されてきた。まずは近藤勇のリーダーシップが、次に土方歳三の冷徹さが強調され、沖田総司の純粋さが好まれた。テレビでは栗塚旭の土方の定番となった。大河ドラマの「新選組!」の土方役の山本耕史も評価が高い。近藤、土方、沖田の3人は今も人気の的だ。2024/09/10
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2
大衆イメージの形成 史実とは異なる大衆的なイメージ 映画構成における位置づけ 時代による池田屋事件の捉え方 大河内伝次郎が演じた近藤勇 勤王の志士である鞍馬天狗 反動勢力として描かれる 倒幕史観が強かった時代 戦後の新選組映画の特徴 新選組賛美映画 敗戦体験が影響 時代に翻弄された集団 片岡千恵蔵の鬼気迫る演技 栗塚旭の土方歳三 草刈正雄の沖田総司 多様な視点と近年の新選組映画 下級隊士を主人公とした作品 司馬遼太郎原作の映画化 現代に通じる普遍的な人間ドラマ 歴史の暗部に影を落とすダークヒーロー2025/04/11
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2
新選組の大衆イメージを求めて すべては池田屋に始まる 近藤勇の時代 新選組映画・3つの流れ:『新選組』『その前後』『維新の曲』 戦後時代劇全盛期の新選組映画: 『新選組鬼隊長』『壮烈新選組・幕末の動乱』『維新の篝火』『京洛五人男』 新選組映画の変貌: 『新選組始末記』『新選組血風録・近藤勇』『幕末残酷物語』『沖田総司』 土方歳三の時代 テレビドラマ: 『燃えよ剣』『壬生の恋歌』 新選組映画の復活 なぜ人気があるのか: サクセス・ストーリーと滅びの物語 征服時代劇と日本人の帰属意識 明治維新史観に対する疑問2024/12/16
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