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内容説明
サラリーマンの頑固な情熱が、変革を起こす
野球と無縁の人生を歩んできた2人のサラリーマンが、どん底、赤貧に喘ぐ球団の建て直しに身を投じる、渾身の企業ノンフィクション。
単行本 2020年8月 文藝春秋刊
文庫版 2025年2月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
10$の恋
31
実話ベースである。元新聞記者で巨人球団代表まで務めた清武氏が、球界のドン「渡邉恒雄」を糾弾して解任され、プロ野球の現状を書いた。ここにはかつて阪神・広島が最下位争いをしていたころの実態が述べられている。我々ファンの知り得ない裏側でこんなことがあったのか…。直系の親会社を持たない阪神と広島が低迷していた理由、野球OBのどんぶり思考や旧態依然の経営体制に対して、影で必死で球団を維持する「社員」。阪神・広島は悪習を打破するために野球経験のないサラリーマンが奔走した_。プロ野球ファン必読本!もちろん一般の人にも。2025/03/28
ぷにすけ
20
カープ・鈴木本部長と阪神・野崎元球団社長の奮戦記。プロ野球の運営の難しさをしみじみ実感。球団経営も考えながら、チーム強化の為に四苦八苦する姿は頭が下がります。そして、黒田復帰のくだりは感動モノです🥲2025/03/02
あまね
19
とても面白かったです。著者の清武氏がジャイアンツを卒業する時の大変さは、記憶に鮮明に残っています。ナベツネと対峙し球団を去っていく姿は背中に大きな傷を受けているようにみえました。その人だからこそ書けた今作。親会社との板挟みになる『サラリーマン球団社長』の大変さと悲哀が細やかに描かれています。また、監督の大変さもよく分かりました。私自身の贔屓の球団はこちらに出てくる球団ではありませんが、カープの熱狂的なファン心理が今更ながらによくわかり、俄かカープファンになってしまいそうです。2025/03/08
むた
13
少し古い話だが球界が揺れに揺れていたあの時代のことをよく覚えている。プロスポーツではほとんど表に出てくることのないフロント部門の働きがチームの成績を左右することを改めて感じた。身も蓋もないかもだけどなんぼ現場が頑張ってもいい選手がいなけりゃ勝てないし、環境がよくなけりゃいい選手が来ないのよ。2025/04/02
こうせいパパ
10
自分の好きなプロ野球の世界を、球団を運営する立場から追うことができた。華々しさを感じるプロ野球の世界も、運営側としての苦労や責任が数多くあることを思い知らされた。将来的な有用さが明らかな試みであっても、球団幹部の理解がなければ闇に葬られるのは勿体無い。2025/03/06