内容説明
愛され度200%! 大人気著者初の短篇集
商店街で働く南優香は、いまよりほんの少し愉快に生きるためのライフハックを思いつく。今日から私、殺し屋になる――(「コードネームは保留」)。
博物館の片隅で現実逃避に余念のないサラリーマンと小学生。つい悩みを吐露し合ってしまった二人の本当の願いは……(表題作)。
読むほどに心が楽になる、7つの物語。
解説・森川すいめい
目次
(1)コードネームは保留
(2)タイムマシンに乗れないぼくたち
(3)灯台
(4)夢の女
(5)深く息を吸って、
(6)口笛
(7)対岸の叔父
単行本 2022年2月 文藝春秋刊
文庫版 2025年2月 文春文庫刊
この電子書籍は文春文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
エドワード
46
標題作は、白亜紀やカンブリア紀にタイムトラベルを夢見る少年―彼は私だ。自分は宇宙人だ、殺し屋だ、と<設定を生きる>女性社員。同級生の結婚生活を眺めながら、コンビニの同僚への思いに気づく女性―「灯台」章題がいい。早逝した夫のパソコンに残る、彼が書いた小説の中の女と会話する妻―「夢の女」―現実的で幻想的な雰囲気が面白い。孤独な少女は、映画スターに憧れる。想像の翼を広げ、物語を綴ろう。人生の喜怒哀楽を短編で見事に表現する「口笛」。奇人の叔父を憎めない少年。明るく生きたい。みんな一生懸命だ。心が上を向く作品だね。2026/01/17
たるき( ´ ▽ ` )ノ
45
『コードネームは保留』と『灯台』がとても良かった。コードネームを考えるの楽しそう!私は何になって生きていったら楽しめるかな…とワクワクしながら読んだ。どのお話にもハッとさせられる何かがあり、それが面白かったり刺さったりして心に残る。2025/11/12
なつくさ
32
明日も歩いていこうと思える素敵な短編集。人と人の関係を星に例えているのが素敵でした。近いようで遠い。同じようで違う。僕らは星なのだ。地球という名の星の子どもで、星の子どもは、星だから。いろいろある。いろいろあるけれど、明日も歩いていこう。タイムマシンに乗れない僕らは過去に行くことはできないのだから、歩いて歩いて、ただ、歩いて、歩き疲れたら立ち止まってもいいから、宇宙から見たらほんの一瞬の煌めきを抱きしめて生きていこう。2026/03/08
春霞
32
小学校や中学校で仲の良かった友達のうち何人かは、今でも付き合いが続いています。友達になったきっかけ、それがどんな場面で、最初の一言が何だったかは、今では全く憶えていません。本作の7つの物語は、いずれも心にちょっとしたわだかまりを抱えた主人公が、人との触れ合いにより暖かい糧を得る、そんな物語でした。先ほどの友達とのきっかけも、多くの人の中から、その人に出会えた素晴らしい一瞬なのに、それを憶えていないのは、なんと残念な🤣そんなことを思った読書でした。2026/02/26
mayu
31
職場、家庭、学校、小さな世界の中で周りから少し浮いている様な彼、彼女たち。その息が詰まる様な世界のリアルさに読んでいる私も息苦しくなり、最後はゆっくりと解放されていく。寺地さんの長編を色々読んできたので短編は新鮮だった。どの話にも共通して感じたのは周りが思っている、思われている事と本人が感じていることは決してイコールでは無いよなぁという事。そして周りの人が求めている人になんぞならなくても良いという事だった。私は周りに望まれた形になれなくて苦しくなる時がある。励まされた様な気持ちになる一冊だった。2025/04/27




