内容説明
小学生五年生の晶と高校生の達は、仲良しな兄弟。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれる達は、晶にとって誰よりも尊敬できる最高の兄ちゃんだ。でもそんな兄ちゃんは、他の人から見ると普通じゃないらしい。晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校だし、集中すると全力で走り出してしまう癖があるから。第11回ポプラ社小説新人賞特別賞受賞作。温かさと切なさが胸を打つ、人と人との関わりの物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
25
仲良し兄弟の小学生五年生の晶と高校生の達。晶にとっては誰よりも尊敬できる兄なのに、他の人から見ると「普通じゃない」らしい、達と交わした言葉を大切に生きてゆく家族小説。物知りで絵が上手く、面白いことを沢山教えてくれて、けれどコミュニケーションが苦手で不登校、集中すると走り出してしまう癖がある達。同級生たちや大家さんとの会話を通じて「普通」とは何か、初めて意識する世間に晶が戸惑い葛藤して、さらに意外な事実や思わぬ展開にも直面しましたが、それでも晶が兄を大切に思う気持ちは変わらないとても優しい家族の物語でした。2025/02/05
conyTM3
12
ADHD(おそらく)の子どもを抱える家族のお話。 その弟と母親の視点で描かれる二章。 弟の晶がまっすぐで可愛い。さりげなく年上の人に気を使える子。 絵が上手く物知りな兄を尊敬しているが、反面友人たちの微妙な態度に揺れる心。 兄は普通ではないがこのままでもいいじゃないかと思う気持ちと、普通であってほしいと思ってしまう気持ちの間で揺れ動く心境が小5の晶には重いだろうな。 子どもの微妙な気持ちの変化がとてもよく表現されていたと思います。不器用に互いを思いやる兄弟の姿にジンときました。 ラストはちょっと消化不良。2025/11/30
JUN
5
優しいのに優しいと思えないのがもどかしい2025/03/19
読書熊
2
障害と言わず障害を描いた良作2025/04/24
Pipi⭐️ぴぴ@読書鳥
1
晶と達が、もがきながらも兄弟の絆を深めていく。「世間は、たくさんの人でできているが、人とは違う。血が通っていない」「自分が簡単にできること、人もできると思っちゃだめだ」達は大切なことを教えてくれる。世間が何と言おうと達を大切に思う晶が愛おしい。🐥🐥2025/08/01




