内容説明
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「ムスリムであること」と「イギリス人であること」はいかに両立するのか。あるいはそれはどのような理路のもとで可能になっているのか。ポスト9・11時代に生きるイギリスの移民第二世代ムスリムを、再帰的近代のアイデンティティ論を通じて分析する。多文化主義、女性とエージェンシー、情報化、解釈実践、ヒジャブの意味論などをキーワードに「聖なるものを人間化する」現代ムスリムのリアルを描きだす。
感想・レビュー
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BLACK無糖好き
22
9·11以降の西洋社会においてイスラームに対する厳しい目が向けられる中、英国の第二世代ムスリムが自身のアイデンティティと向き合いながらいかに英国社会へと統合されているのかを、再帰的近代化論の分析枠組みによって論じている。イスラームの伝統を源泉としながらも、西洋社会で生きるため自分たちのアイデンティティを再定義する現象が個々人のインタビューから窺える。ムスリムであることと、英国市民であることを両立させるための彼女/彼らの実践から「ヨーロッパ・ムスリム」モデルが見えてくる。イスラーム関連書の中でも貴重な作品。2021/12/14