内容説明
徳川の泰平は,徳川政府の大名に対する厳格な支配によってもたらされたものではなく,各々の分に応じた義務を遂行する,または遂行しているように見せかける双方の「演技」によって作り上げられていた――様々な統制や制度の中でどのように政治が動いていたのかを,当時の人々の政治行動の理解のしかたに即して解き明かす.
目次
序論
徳川時代の封建空間の政治/国民国家の空間とその語り方/本書の構成
第1章 政治の地理学
帝の権威とその空間/戦国大名の領域国家の伝統から始まった徳川家と大名の権力/徳川と大名の権力の起源――武家の伝統/村の空間/職業的な身分と空間/ジェンダーと空間/「内」と「表」における呼称とアイデンティティ/日本の地方としての「国」と大名領国としての「国」
第2章 巡見使と情報収集における演技
徳川の巡見使/外様大大名領における巡見/一門会津領における巡見/譜代小大名の田原領での巡見/巡見と大名への処罰/大名による村々の巡見/徳川に送られた他のデータ
第3章 ゾンビの政治
跡継ぎ不在による領地没収――一六〇〇―一六五〇年/死の床における判元見届の儀式/秩序を演じることで秩序を守る/領分内での「表」の維持と身分の関係/徳川との非公式の交渉/「内証」と「表」の出来事を記憶する
第4章 境界争い
山内氏と伊達氏の境界争い/沖之嶋をめぐる争いの始まり/篠山をめぐる争い/徳川の評定所における対立の政治/田原領民の越訴
第5章 神となった大名
政府と宗教の関係/変わりゆく神道理解/一七世紀の覇者たちの神格化/一七世紀の大名の神格化――保科正之の場合/徳川後期の神格化/土佐領の藤並神社/三宅家にとっての大名の神格化/「分」の限界を試す
第6章 複数の歴史
天皇称号の政治化/水戸『大日本史』――禁裏「表」に向けた日本史/『本朝通鑑』――徳川「表」の日本史/『徳川実紀』――徳川「表」の家史/大名「表」の歴史
結論
近代における「表」と「内分」の再構成
注
日本語版へのあとがき
監訳者あとがき
訳者あとがき
参照文献
キーワード
感想・レビュー
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takao
Junichi Watanabe
𝔸𝕐𝔸𝕂𝔸🧸
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